プランツ
〜アインスの場合〜


私の名はアインス。
アインダルバス・ラル・キムラスカ・ランバルディア。
このキムラスカを治める者である。
そして妻の名はエル。エルーシャ・オニス。
緋色の髪と翡翠の瞳を持つ、いまだ少女と見まごうばかりの女性。
「アデミルはどうした」
その妻に息子の行方を問えば、彼女はくすくすと笑みを洩らした。
「お母様が連れていってしまったわ。今頃どこかでお茶でもしているんじゃないかしら」
妻のそれが伝染したように私も笑みを洩らす。
「やれやれ、取られてしまったな」
「あら、それはアデミルが?それともお母様?」
「どちらも、だな」
大げさに肩を竦めて答えて見せれば、彼女は一層笑みを深めて私の眼を覗き込んだ。
「お母様は貴方の初恋の人ですものね」
その翡翠が茶目っ気に揺れているのに私は苦笑する。
「余り苛めないでくれ」
「あら、苛めるだなんてとんでもない」
そう笑う彼女こそ、何よりあの方を慕っている事を私は知っている。
「所詮アデミルは私とお前の息子、ということか」
諦めたように呟くと、妻は可笑しそうに声を上げて笑った。






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プランツ子供編、アデミルの父親でありエルーシャの夫であるアインスの話。
アデミルは一人っ子じゃないです。
妹が居るということ以外は特に細かいことは決めてないです。








拍手ありがとうございましたvv



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