プランツ
〜あなたが去ってから〜シシィの場合〜
私はシシィ。シェツァーリ・メトゥ。 お父様がお亡くなりになって十年。 お母様がお枯れになって一ヶ月。 ビトルも出て行き、メイドたちも多くを解雇した今、この屋敷はとても広くなった。 今、この屋敷の主は私と私の片割れ、ブリジトー・スクリ…リジィだ。 私たちはつい先月までは別の場所に邸を設け、そこで暮らしていた。 しかしそこをビトルに譲り、私たちはここへ越してきた。 ビトルはここへ残ると言った。 けれど私たちがそれに首を縦に振らなかった。 彼にはまだやりたいことがある。やりたい研究がある。 私にはそれがない。毎日好き勝手に暮らしているだけだ。 そしてリジィも、毎日音機関を弄り倒しているだけで、家庭を持っているわけでもない。 私とリジィは、結局誰とも縁を結ばなかった。 私たちは結局、何も変わらなかった。 他の双子たちと、何も。 誰とも結婚せず、仕事に打ち込み、片割れの存在を感じながら生きていく。 それが、二つに生まれてしまった私たちの答えなのだ。 「ああ、もうこんな時間…」 部屋をでて、近づいてきたメイドに告げる。 「そろそろいつもの準備をお願いね」 「はい、畏まりました」 そうして私は、彼女たちに会いに行く。 ***** プランツ子供ネタ。 シシィのことで一つ出来てしまった…。 次こそラーフ・リーア組を…。 |
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