『楽園』の肖像
デカタンスへと到る幻想…背徳を紡ぎ続けるロマンス 痛みを抱くために生まれてくる悲しみ…第四の地平線 その楽園の名は…… 真鍮の金敷きを九昼夜落とし続けて十日目に辿り着くそこに、『彼』は眠っている。 そこに光は無く、例え光射しても深い霧で覆われている。 そのどんな沼より淀んでいて、どんな未開の地より清らかな空間は分厚い扉と壁で覆われており、その扉を開く呪文を知る者は二人の男だけ。 いや、呪文だけならば知る者は他にいないわけではないのだ。 「――の名において命ずる」 しかし呪文を知るだけでは、唱えるだけでは意味がない。 その二人の男、どちらかの声でなければ意味がない。 「機関名『楽園<エリュシオン>』、起動せよ」 その闇と霧を払い、『彼』を眠りから呼び覚ますのは。 「…おはようございます、『ルーク』」 『彼』を誰よりも慈しむ、彼らだけなのだ。 『…おはよ、ジェイド』 *** 試しに書いてみました、タルタロスルークネタ。ジェイルク+ピオニー予定です。 独り言ではこの時点で既にルク子になってましたが、話をちゃんと考えてみた所、この時点ではまだ女体化してない方が良い感じだったので所々手直ししました。 真鍮の〜というのは神統記における「タルタロス」の場所を示しています。ついでにここでのタルタロスは神の方ではなく場所のほうを示します。 ちなみにタイトルの時点でピンと来た人もいるとは思いますが、サンホラ色(特にエルの肖像、エルの楽園E、A)を漂わせつつ進めるつもりです。 |