33:Please kiss me baby.
(はじめの一歩/宮田×女一歩)



宮田くんとキスをした。
というより、された、の表現が正しいのかもしれない。
それは一度だけじゃなくて、もう何度も。
初めての時は頭の中が真っ白になって、宮田くんが去ってからも長い間その場に立ち尽くしていた。
それから凄く悩んで、でもどうしていいかわからなくて。
だけど次に宮田くんに会った時、宮田くんはいつも通りで、ボクばっかりが焦ってて。
そしてまた、去り際にキスをしていった。
二度目のキスは、やっぱりただ混乱した。

何で宮田くんはボクにキスするんだろう。

沢山悩んで一杯考えて、それでも結局分からなくて。
本当は、宮田くんに直接聞ければいいんだけれど。
そんな勇気は無かったし、もし返ってきた理由が宮田くんにとって大した事じゃなかったりとかしたら、宮田くんを意識してたボクをどう思うんだろう。
それにもし、聞いて…その…今までみたいにキスしてくれなくなったら、それは、嫌、かなって。

だって、宮田くんとのキスは幸せな気持ちになれるから。

宮田君がどういうつもりでボクにキスするのかは分からないけれど、それを問うことによってこのキスが無くなってしまうのは嫌だった。
今のままで良い。
これ以上の良い事なんてボクには想像できないから。
宮田くんがキスしてくれる。
ただそれだけで良い。


結局ボクは、臆病なままだったんだ。







***
一歩は明らかに向こうが悪くてもまず自分が悪いと考えがちかと。
特に相手が宮田なら問答無用で自分の方が悪いんだと思いそう。

 

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