浅瀬を歩む君の滑らかな脚



「これ以上の空白なんていらない。お願いだから、俺をあの頃にかえして、蓮ニ」








柳蓮ニ編「シャーウッドの森を歩くのは」








高校に上がると蓮ニはテニスをやめた。
乾にとってのテニスをする理由が蓮ニにあったように、蓮ニとて乾の去ったテニス界に残る気はさらさら無いようだった。
しかし何かしら部活に入部しなくてはならないため、蓮ニが選んだのは文芸部だった。
立海において文芸部とは最も規制の緩い部活として認知されており、事実、彼らの活動と言えば週に一度のミーティングと年に一度、海原祭に合わせて部紙を発行するのみで、それ以外は各々部室または図書館に居ればそれで良いような部活だった。
そして今日も部室には数人の部員が屯っており、その片隅には柳蓮ニの姿もあった。
「…はわたくしに密着し、わたくしの細胞に燐火を燃やし…」
蓮ニはその低音を響かせ、開いたページを滔々と音読していく。
その傍らでリズミカルな音を立てながらタイプライターを打つ長身。
乾貞治だ。
乾は青学の高等部には進まず、立海に入学した。
立海にはHCC、つまりハンディキャップクラスがあるという事も大きな理由だったが、何より蓮ニの側に居るために青学を捨て、立海を選んだ。
乾と蓮ニは二人がかりでお互いの親を言いくるめ、乾は青学を卒業すると同時に今まで暮らしてきたマンションを引き払い、神奈川に新たに部屋を借りてもらった。
今は、蓮ニと二人で暮らしている。
二人で暮らすと言い出した時、幼い頃の蓮ニしか知らない母はあっさりと承諾したのだが、父は渋った。彼は蓮ニを良く思っていないらしく、しかし息子の説得に渋々ながら許可を出したのだった。
二人で暮らし始めて特に困ったことはなかった。
お互いの行動パターンや生活パターンは把握済みだったし、乾も最低限の事は一人で出来た。後は蓮ニが細やかなサポートをするだけで、あっという間に二人はその生活に馴染んだ。
「…はただ嬉々としてとびはね、わたくしの全存在をかけめぐる…」
そして立海附属高等学校の一員となった二人はそろって文芸部に入部した。
テニスをやめ、視力を失った今となっては乾の趣味は読書だった。
トレーニング自体はそれこそ習慣となっており、毎日のロードワークは欠かさないのだが、視力を失ってからというもの乾はとにかく本を読んだ。
それは絵本や児童書から始まり純文学、ライトノベル、哲学書から何かしらの専門書まで雑食も雑食、とにかく手当たり次第といった感じだ。
当然、目の見えない乾には「見る」ことは出来ないのだが、点字図書を取り寄せてはそれに触れる事によって乾は本を「読み」、知識として吸収していった。
そして時にはこうして蓮ニに音読してもらい、自ら点字タイプライターで打ち直した。
乾の部屋にあるパソコンは点字ソフトが入っており、プリンタも専用のものがあるのだが彼はタイプライターの方を好み、部屋と部室とで二機持っている。
ただ、打つにしても読み手が蓮ニであるということは、拒否権も彼にあるということで。
ライトノベルは大抵断られるし、たまに受けてくれたかと思えば尽くツッコミと文句が入って話にならない。
こてこての恋愛モノや官能小説を差し出したらどんな反応をするのか試してみたい気もするのだが、報復が怖いので今のところ実現には至っていない。
「ありがとう、蓮ニ。お疲れ様」
出来上がったそれをリングファイルに綴じながら労うと、貞治が喜ぶならば、と当たり前のように返された。
「既製の物の方が読みやすいのは分かってるんだけど、自分で打った方が頭に残るし、愛着も湧くからね」
「貞治はとても綺麗に打つ。普段のざっぱさからは見当も付かないほどだ」
「それって誉めてる?」
「好きに取ればいい」
ふっと微かに笑みを浮かべて答えると、乾はむっとしたように唇を尖らせた。
視力を失って、彼は眼鏡をかけなくなった。
当然と言えば当然なのだが、長年トレードマークとしてそこにあったものが無くなって一番戸惑ったのは乾自身だった。
目を閉じて生活する事にはすぐに馴れたくせに、時折その細い指先があるはずのない眼鏡を押し上げようと眉間に触れては我に返ったりする。
寝起きなど毎朝と言っていいほど布団の中から眼鏡を探す手が伸びていて、いい加減布団から出て来い寝坊助が、とその手を叩き落とすのが蓮ニの朝の日課となっている。
もう一冊読むか、と口にしようとした途端、校内放送が入った。
蓮ニを呼び出す放送だった。
呼び出した教師を思い浮かべ、またか、と思う。蓮ニを呼び出したのは高校でのテニス部の顧問を勤めている教師だ。入学当初、蓮ニもテニス部に入るものだと思っていたらしく、それについて一悶着あったのだが。
面倒くさい。が、呼び出された以上は行かないわけにはいかないだろう。
「れーんじ、行かないとダメだよ」
見透かしたような笑いの混じった声音に、蓮ニはやれやれと溜息を付いて席を立った。
「大人しくしていろよ、貞治」
「はいはい、わかってるよ、蓮ニ」



そして予想通り、呼び出しの用件は思ったとおりテニス部への勧誘だった。
大会や試合が近づくたびこれを繰り返すのだろうかと思うといい加減うんざりする。その気は無いのだと何度言えば気が済むのだろうか。
このまま終わらすのは勿体無いだの全国だのそんな事はどうでもいい事だ。
貞治の気配すらないコートに立つ事に何の意味があるのか。
「お前が乾の眼の事で責任を感じているのは分かるが、」
ただ黙って聞いていた蓮ニもその言葉には頬の筋肉が引きつるのを感じた。
勘違いも甚だしい。
「失礼ですが、先生」
いい加減その顔を見るのも声を聞くのも限界だった。
「自分は自分の意思でテニスをやめる事を決めました。それを今更どうこう言うのは自主性を唱える我が校風に逆らうのではないでしょうか。そもそも、このお話は四月の時点で終わったはずです。同じ話を繰り返すのは苦痛でしかありませんので失礼させていただきます」
未だ何か言おうとする教師を冷めた目で見下ろし、相手が一瞬言葉を詰まらせた隙に蓮ニは職員室を後にした。
「蓮ニ」
部室へ戻ろうと階段に差し掛かった時、聞きなれた声に呼び止められて蓮ニは足を止める。振り返った先には真田が立っていた。
「何用だ、弦一郎」
すると彼は真剣な面持ちで話がある、と告げた。
「部活はいいのか」
「今日は自主練だ。外からお前の姿が見えたのでな」
「抜けてきたのか。お前にしては珍しいな」
「…こうでもしなければ、お前と話せないからな」
真田の言い様に蓮ニは微かに笑う。
「おかしな事を言う。話くらいいつでも聞くが?」
「しかしお前の隣には常に乾が居る」
その言葉に蓮ニは何処か満足げに頷くと、それで、と先を促した。
「乾の居ない所で、話がしたい」
「内容による。貞治を待たせているのでな」
「その乾の事だ」
「…いいだろう」
蓮ニは口元に薄らと笑みを湛え、緩やかに頷いた。




人気の無い教室は傾きだした日差しに照らされて淡い紅に染まっていた。
そこに佇む、二つの影。
「それで、話とは」
泰然と構える蓮ニに対し、もう一つの影、真田は苦々しげに言う。
「いつまでこんな茶番を演じるつもりだ」
「茶番とはまた手厳しいな」
軽く肩を竦めて見せると、茶化すな、と窘められた。
「このままで良いと本当に思っているのか」
「俺はただ貞治の望む世界を与えてやっているだけだ。貞治の願いどおりに」
「しかしこのままでは先はない。わかっているのか」
わかっている、と彼は薄らと笑みすら浮かべて言う。
「未来も無ければ過去も無く、必要も無い。重要なのは俺が貞治の側にいるというただ不変の真実それのみ」
「蓮ニ、」
しかし蓮ニはそれを遮って言葉を紡ぐ。
「弦一郎、アレは頭が悪い。余りにも馬鹿で単純で愚かだ。迷子にならぬよう俺がついていてやらねば」
「…お前を選んでから、乾は変わった」
「変わったのではない。戻ったのだ。在るべき姿に」
顔を顰める真田に、蓮ニはさも当然のようにそう告げる。
「本気でそう思っているのか」
「貞治がかえるのは俺の元だけだ。それ以外にどこに行けと」
それを否定するように真田は緩やかに首を横に振る。
「もう、乾を解放してやれ」
「おかしな事を言う。これらは全て貞治が望んだ事。弦一郎よ、お前にはわかるまい。これがどれほど甘美で幸福に満ちた世界であるかを」
「所詮は仮初、いつまでも続くまい」
続くとも、と蓮ニは自信さえ孕んで言いきった。
「言ったはずだ。貞治は馬鹿で単純で愚かだと。その救い様の無さが終焉を失わせているのだ。俺が側に居る限り、貞治の幼稚で滑稽な理想は永遠だ」
「道を正してやるのが伴侶ではないのか」
「共に堕ちてやるのも伴侶の役目だ」
蓮ニ、と真田が悲壮さすら湛えて彼を呼ぶ。
しかしからりと開かれた扉に彼の声は遮られた。
「蓮ニ、いる?」
ひょこりと顔を覗かせたのは、部室で待っているはずの乾だった。
白状で障害物が無いか突きながらゆっくりと教室内に入ってくる。
「貞治、ここだ」
蓮ニの声に乾はぱっと喜色を浮かべ、緩やかにその声のした方へと歩いていく。
机や椅子にぶつかったり躓いたりはしない。その確かな歩みは確実に蓮ニの元へと向かっていた。
「…蓮ニ?」
しかし、声のした辺りに辿りついても蓮ニは居ない。
無音で身を引いた蓮ニに乾は気づくことができず、戸惑いを滲ませて小首を傾げた。
「蓮ニ、どこ?」
不安げにその気配を探る乾に、蓮ニは満足げに笑うとその頬に手を伸ばした。
「ここだ、貞治」
「蓮ニ!」
逃がさないとばかりに蓮ニのシャツを握ると、皺になる、と窘められて乾は唇を尖らせた。
「だって蓮ニが意地悪するから」
「部室で大人しくしていないからだ」
「だって」
「だってじゃないだろう。聞き分けんというなら椅子に縛り付けてその口塞ぐぞ」
するりとその唇に指を滑らせると、途端乾は頬を朱に染めて蓮ニを突き飛ばした。
「バカ蓮ニ!エロ教授!今日の夕飯に野菜汁作るぞ!」
「貞治が口移しで飲ませてくれるならば飲もう」
「誰がやるか!もう知らない!迎えに来て損した!」
白状で手荒く辺りを探りながら乾はすたすたと教室を出て行く。その後姿を笑みで見送り、そして真田を見る。
「貞治の世界に弦一郎、お前はもう必要ない。故、余計な口出しはこれで最後にしてもらおう」
蓮ニは乾を追って教室を出ていく。
「ああ、そうだ」
ふと思い出したように足を止め、蓮ニは真田を振り返った。
「俺が居ない間、短い間とはいえ貞治の面倒、ご苦労だったな」
軽やかな音を立て、扉は閉ざされた。





二人は、何をするにも一緒だった。
買い物も、食事を作るのも、風呂や寝室に至るまで共に過した。
最初こそ風呂くらい一人で入れると恥ずかしがっていた乾も、今ではそれが当たり前となってしまっている。
「蓮ニ、お茶飲む?」
「その前に頭を拭け」
脱衣所からさっさと出ようとする乾の首根っこを引っつかんで止めた。
全くお前は、と文句を言いながら首から提げていたタオルでその髪を拭いてやる。
そしてそのついでに肌蹴たままのパジャマのボタンも留めてやる。
「蓮ニ、暑い」
ボタンを留める蓮ニに文句を言いつつも乾はされるがままだ。
「ねー蓮ニ、お茶ー」
催促の声に、蓮ニが好きにしろと返せばじゃあウーロン、と彼はぺたぺたと足音を響かせて脱衣所を出て行った。
一つ溜息を吐いて自分も身支度を整えた。乾と色違いのそれを纏い、同じく脱衣所を後にする。キッチンへ向かうと、乾がグラスを二つ取り出し、ウーロン茶を注いでいた。
それは手馴れたもので、零す事無く注がれていく。
「蓮ニ、はい」
蓮ニは基本的に足音を立てない。それは彼の癖なのだが、しかし乾はどんなに蓮ニが足音を消そうとも、気配を殺してみようとも必ずその居場所を感じ取ってみせた。
そうして今もまた、まっすぐ蓮ニの方へと差し出されたグラスを礼と共に受け取り、蓮ニはリビングに向かった。ペットボトルを冷蔵庫に戻して乾も後に続く。
ローテーブルの前までやってくると蓮ニは空いた手で乾の手を取る。ん、と頷いてその手を取り、乾は蓮ニに導かれるままローテーブルの前に座った。
ここに住み始めた頃は、リビングには立派なソファがあったのだが、二人とも座り込む方を好み、結局処分してしまった。
ウーロン茶を飲みながら、他愛もない番組を見る。
聴くことしかできない乾の為に蓮ニが逐一解説を挟み、そうやって内容を理解した。
「……」
「?どうしたの、れん…」
不意に唇が柔らかなものによって塞がれる。
それが何かを理解し、反射的に身を引こうとすると強い力で引き寄せられた。
「ん〜〜!ふぁ、れんっ…」
べしっと蓮ニの背中を叩くと唇が離れ、文句を言おうとした途端再び塞がれた。
ぬるりと入り込んでくる生暖かい塊。逃れようとしても頭は彼の手によってしっかりと固定されている。噛み付いてやろうか、と思うとそれを見透かしたように口内の塊が乾の舌を絡め取る。
背筋を微かに電流めいた何かが走りぬける。その塊が蠢けば蠢くほど体の力が抜けていく。このままではいけない。けれどこのまま流されたいと思っている自分がいる。
「…っは…れんじ…」
彼の纏う布地を握り締め、その名を呼べば耳元で貞治、と甘い痺れをもった応えは聴覚を擽った。
「!や、蓮ニっ…」
彼の手がするりとパジャマの裾から入り込んでくる。
肌の感触を楽しむように脇腹を滑る掌。
身を捩って逃れようとすると、貞治、と静かな声が響いた。
「動いてはいけない。わかるな?」
「…っ…」
「貞治」
乾は戸惑いながらもその場で膝立ちになり、一つ一つパジャマのボタンを外していく。
最後の一つを外した所で戸惑っていると、どうした、と微かに笑う気配がした。
「弦一郎や手塚には出来て、俺には出来ないのか?」
「蓮ニ、やめよう、お願いだから…」
けれどそれは聞き入れられはしない。
「貞治」
その声に乾はのろのろとパジャマを床に落とした。素肌が外気に触れて微かに粟立った。
「蓮ニっ…」
不意に胸元に走った感触に、乾はびくりとして一層身を強張らせる。
「寒いのか?ここがこんなになってるぞ」
くに、と指の腹で小さく立ち上がったそれを潰され、乾は身を震わせた。
「や…ぁっ、れん、じ…!」
「ここがイイのか?」
何度も繰り返すその指の動きに乾はふるふると首を横に振る。
「蓮ニ、」
「嫌ならば逃げればいい。これ以上は無理強いはしない」
ぐいっと腰が引き寄せられ、鳩尾に口付けられる。ちゅ、と音を立ててそこを吸われた。体を駆ける甘い痺れに乾は唇を噛み締めてやり過ごす。

今日まで、蓮ニとはそういう事をしたことがなかった。
蓮ニとだけは、こんな風になる日が来るとは考えもしなかったのだ。
現実となる日が来るなんて、信じてなどいなかった。

怖いのだ。

今まで何人もの相手と体を重ねてきた。躊躇いなど疾うに捨てたつもりだった。
なのに、ここに居るのが蓮ニだと思うとどうしていいのか分からなくなる。

怖い。

この体を曝して、蓮ニに失望されるのが怖い。

せめて、この眼が見えてさえいれば。
彼がどんな表情で自分を見ているのか、分かるのに。
「…っ…」
乾はとすりと座り込んだ。
「…蓮ニの顔が見えない」
掠れて消えてしまいそうな声は、彼に届いているのだろうか。
「蓮ニ、見えないんだ」
怖い。
ここにいるのは本当に蓮ニなのか?
また、都合のいい夢なのではないのか。
眼が覚めて、傍らの空白に気付くのだ。
そんなのは、もう嫌だ。
「貞治」
「!」
手を掴まれ、ぺたりと何かに宛がわれた。頬、だ。蓮ニの頬に自分の手が添えられている。
「見えないのなら触ればいい。聴けばいい。これが俺だ。俺は、確かにお前の前に居る」
形のよい輪郭、手触りの良い髪、通った鼻梁、薄い唇。
そっと掌と指先全てを使ってそれらを確かめていく。
「全ての感覚で俺を感じろ」
「…蓮ニ」
「俺の全てはお前のためにある。忘れるな、お前が俺のためにあるように、俺もお前のためだけにあるのだと」
触れる手を取られ、その指先に口付けられる。
そのまま引き寄せられ、もう一度唇が重ねられた。
「貞治、お前の全てが知りたい。この身をくれてやる。だからお前を俺に寄越せ」
「蓮ニ…」
やがて小さく頷くと、三度目の口付けが落ちてきた。


「蓮ニ、そばにいて」


閉じていく世界。そこにあるのは在りし日の思い出。
空白の過去も、未来も必要ない。
欲しいのは、唯一つ。



「誓おう貞治。この身朽ち果てようともお前を放しはしない」



あなたがそばにいる。
ただその事実が全て。




「やっと、手に入れた」




薄い笑みを浮かべたのは、わたしか、あなたか。













***柳蓮ニ編あとがき***
柳EDの乾さんはきっと中学の同窓会とか絶対行かないと思います。行く気ゼロ。ていうか街中でたとえ元青学メンバーと出会ったとしても平気で「どちらさまでしたっけ?」とか言っちゃうと思う。日を増すごとに乾の脳内は柳の事ばかりになるので思考の向こう側ではちゃんと元青学メンバーを理解も認識してるんだけど、なのに同時に本気でこの人誰だっけ、とか思ってる。で、隣に居る柳に「蓮ニ知ってる?」とか聞いて、柳も柳で「さあ、知らんな」とかしれっと言うもんだから「だよねー」ってなってそれじゃあ失礼しまーす。みたいな。きっと乾は柳を信じてるふりして何処までも果てしなく疑って生きていくんだろうなあと。疑ってるからこそ余計に柳に傾倒していく。ところてん方式でどんどん他の事は追いやられていく。こいつらこそ真っ先に心中しそうだ。

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