02.部員勧誘 (宮一子子供編・歩夢/はじめの一歩) 私は今年、この象印高校に入学した。 別に何処へ行きたいという希望はなかったから、家から一番近いこの高校にした。 理由なんてない。 まあ、それ以外にも強いてあげるなら、この高校は部活への入部は自由だ。 つまり、帰宅部でもOKということ。 入部したい部もなく、しかも早く帰りたい私にとってそれは有難かった。 しかし体育でちょっと本気になってみたが最後。 陸上部、バレー部、バスケ部、テニス部エトセトラ。 勧誘がうるさいうるさい。 私はどの部にも入る気はありません。お引取りください。 丁寧にそう対処してやっているというのに彼らは諦めない。 私には部活よりやりたいことがるのだ。 なのにどうしてこの人たちは分かってくれないのか。 「いい加減にしろ!!」 気付いたら思わず素で怒鳴っていた。 「お前らに構ってる暇なんざミジンコほどもないんだよこんダラズが!」 ぽかんとしている彼らを見回し、ふんっ、と鼻を鳴らして踵を返した。 「みっ、宮田さん!!」 それでも食い下がろうとするどこぞの部長を振り返り、言い放つ。 「お生憎様。私はボクシング一筋なの」 他事なんざ構ってらんねんだよ。 言うだけ言ってさっさと校門へと向かう。 追いかけてくる声はない。ヨシ。 さて、象印中学へ向かいますか。 不肖の愚弟を引っ張って、鴨川ジムへと向かうために。 *** 歩夢、普段は大人しいフリをしてるので周りからマドンナ扱いとかされてます。が、素の口調や気性も父親似のため沸点が低いです。しかも大阪から遊びに来るお兄さんの影響も結構受けてます。(爆) |