「ええ〜?練習用かよ〜」
カーシュはとっても不満のようです。
「だが真剣でやって怪我でもしたら・・・」
「ま、いいわ。気が変わった。今日はもう寝るわ」
ダリオの心配など聞いちゃいないカーシュはそう言って立ち上がるとさっさと食堂を出て行こうとします。
「えっ、ちょ、カーシュ?!」
当然慌てたダリオ。引き止めようとするが何を言って良いのか分かりません。人間、幾ら策略を練るのが得意でも、臨機応変に欠けていては肝心な時に限って役立たずです。
「んじゃおやすみ〜」
手をひらひらと振ってカーシュは食堂を出て行ってしました。
「嗚呼・・・・・」
残ったのは一部始終を見ていた兵士達と、意外と手際の悪い兄を持ったグレンが、テーブルに突っ伏したダリオをひっそりと扉の影から同情の視線で見ていました。
ダリ兄、頑張りましょう。