「たまにはいいだろ」
ダリオがそう言うと、カーシュは返事二つで引き受けました。どうやら木刀は真剣味に欠けるからとお気に召さなかったらしい。
「よし、んじゃ行こうぜ!」
二人は立ち上ると何故か倒れている数人の兵士を越え、人気の無くなった食堂を後にした。
所でダリオさん、食事しなかったですね。何の為に食堂に居たんでしょうね。
間。(食堂→外)
ガギィンッ!
派手な音を立ててアクスが跳ね飛ばされました。
「うひいっ?!」
二人の戦いに見惚れていた兵士の一人が悲鳴を上げます。あらあら、アクスが飛んできたんですか?それは不運でしたね。
「あ〜ちっくしょう!また勝てねえ!!」
万年黒星、更新オメデトウ御座います。え?バトルも書けって?嫌ですよ。何でそんなのまで教えなきゃならないんですか。ジオに接続できない怒りの勢いで書いてる物にそんな頭使いたくありませんよ。
・・・おや?今何か作者が乗り移ったようです。お気になさらぬ様・・・。
「それより、大丈夫か?」
ダリオがハンカチを取り出すと、幾筋か腕を伝う鮮血の出所であるカーシュの左肩に押し当てます。どうやら避ける時ドジった様です。
「ああ、大丈夫だって、これくらい」
顔と頑丈さだけが取り柄の万年黒星のカーシュにとってこれくらい何でも無いようです。
「・・・なんか今どっかから皮肉が飛んできた気が・・・」
「??気のせいだろう」
ダリオがハンカチを広げ、傷口に巻き付け終ると、カーシュは右手で髪をがしがしと掻き回します。
「あ〜またマルチェラ辺りに嫌味言われるな〜・・・」
髪を掻きまわしていた手を止め、ポケットから一本の結い紐を取り出したカーシュはその長い髪をかき上げ、慣れた動作でポニーテールにします。
「・・・久しぶりだな、お前が髪結うのは・・・」
露わになったうなじにくらりとしながらダリオがそう言うと、カーシュは「そうだったか?」と首を傾げる。
「・・・・そういや、そうか。風呂ん時しか縛ってねえからな」
カーシュは吹っ飛んだアクスを拾い、肩に担ぎます。さっき当たりそうになった兵士はどうやら恐ろしさから逃げたようです。
「んじゃ、風呂でも入るか」
何気なく言われた言葉をダリオの脳が理解するのに数秒かかりました。
「い、一緒にか?」
思わず吃ってしまったダリオにカーシュは片眉を跳ね上げます。
「?当たり前だろが」
そう、蛇骨館には多くの兵士達がいます。つまりは集団欲情・・・じゃなくて集団浴場なのです。
「そ、そうだったな。ハハハ・・・」
「???まいっか。行くぜ」
さっさと蛇骨館内に戻っていくカーシュの後を追いながら、ダリオは密かに浴場を貸し切りにしようと目論んでいたのでした。
さて、その後は・・・まあ、言わずもがなと言うか・・・ねえ?