ラズリーが食べないと分かるや否やさっさと残りの一匹をがつがつと食い始めました。骨は勿論頭まで平気で齧り付いてます。ちなみに四匹目です。良く食いますねえ。
「こっちなら大丈夫だろ」
最後の一匹もあっという間に食べ終ったカーシュは小さな果実を幾つか差し出します。
「ありがと」
ラズリーはその赤い実を受け取るとにっこりと笑い、それを一粒ずつ口にします。え?どんな実だって?そうですねえ・・・まあ、クランベリーみたいなモンですかねえ・・・。
「そういやお前、始終浮きっぱなしで疲れねえのか?」
会った時からずーっと思っていたらしい疑問にラズリーはきょとんとします。愛らしいです。可愛いです。攫っていきたいくらいです。
「大丈夫だヨ?速く飛んだりするとちょっと疲れちゃうんだけどネ。それに歩いて虫さんとか踏んじゃうといけないし」カーシュは無言でラズリーの腕を引っ張ると強引に自分の膝の上に座らせました。
「な、なにするんだヨ!!」
ラズリーはそりゃあもうびっくりして石化状態です。カーシュは超絶軽いラズリーを膝の上に座らせると、自分は岩に凭れ掛かります。
「たまにゃ息抜きしておけ」
そういうと頭の後ろで手を組み、さっさと眼を閉じてしましました。ラズリーは暫くの間目をぱちくりさせていましたが、「全く仕方がないなあ」といった風に一つ溜息を吐くとカーシュに身を預けて目を閉じました。
一時間後。
「・・・・・・・・・」
幸せそーに寝こける二人を羨ましそうに見つめるセルジュの姿がありましたとさ。
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