君といる時の自分
(ヤマネコ×カーシュ/クロノクロス)
※花咲く〜IF設定
ヤマネコといる時の自分は、少し、情けないと思う。
彼の一挙一動を気にして、心振り回されている。
昔のような、嫌な感じではない。
けれどもう癖なのだろう、彼を目で追ってしまう。
ヤマネコは、そんなカーシュを面白おかしく思っているらしい。
じっと自分を見つめてくるカーシュの視線を時折見返してはくつりと笑うのだ。
それで漸くまた自分がヤマネコを見つめていた事に気付いたカーシュが慌てて視線を逸らす。
けれど暫くするとまたヤマネコを見ている。その繰り返しだ。
見ないように、と思えば思うほど彼へ意識が向かってしまい、悪循環に陥ってしまう。
「見たければ好きなだけ見るが良い。減るわけでもない」
ある日ヤマネコがそう言った。それもそうか、とカーシュは思う。
不躾に見つめてしまってもそれを向こうが良しとしてくれるのならこれでいいかもしれない。
その内に治るだろう。
カーシュは本を読むヤマネコの横顔を見つめながら、ぼんやりとそう思った。
***
きっと不安の裏返しかと。 |