「花咲く丘に涙して」各章サブタイトル解説ページ。
このページには「花咲く丘に涙して」シリーズでの、実は本編と関わりが無いのではとの噂のサブタイトルの解説をしています。お暇な時にでもどうぞ☆
花咲く〜1
「花咲く丘に涙して」
*罪悪に蝕まれし者は丘を目指し
罪悪に蝕まれし者とはカーシュの事です。ダリオを殺した事をネタにヤマネコ様に抱かれている状況を「蝕まれる」としました。高い丘を登るって辛いですよね。これはカーシュの歩んでいる道が彼にとって辛いものである、という意味です。
*祈り囚われし者、丘を見上げその眼を眇める
祈り囚われし者ってのもカーシュです。ダリオの死から、ヤマネコ様から逃れたいがそれは敵わず、といった所です。
丘を見上げ〜ってのは、カーシュが自分のこれからを考えてみてもヤマネコ様に隷従しなくてはならない事しか見えず立ちすくんでいる状態です。
*丘に登れば遥か下方から彼の者我に手を振りて
彼の者はヤマネコ様でありセルジュでもあります。ここに本当はもう一つエピソードが入る筈だったんです。
それが現在番外編として立ち上った話なのです。カーシュ自身はよく覚えていなくても、彼の記憶の奥底に微かに残っていたヤマネコ様の優しさの記憶がセルジュの優しさにダブったんでしょう。
*手を振り返せば彼の者嬉々として微笑まん
ここはもうセルジュとカーシュです。仲良しさんです。
この時点でカーシュが最も信頼しているのはセルジュです。心友ですな。(笑)
*彼の者、我を追いて丘を上り
セルジュだと思った少年はヤマネコ様(Dセル)だった、と。
これはカーシュがDセルの手の届く所に居るという事を現わしたかっただけです。
*手を取れば彼の者は失せ、幻と知る
フェイト戦にて、自分がどうしたいのかわからないままだったが、それでも倒す事が自分の成し遂げたい事だと信じて戦うカーシュ。だが、彼を倒して残ったのは、更なる戸惑いだった。
*君去りて後、花咲く丘に涙して
丘の上へ辿り着き、カーシュは知る。自分が登る事を拒んでいたこの丘は、こんなに綺麗な場所だったのだと。
自分が彼をどう想っていたのか、漸くそれに気付いた時にはすでに彼は存在しない。
花咲く〜2
「如何なる星の下に」
*彼の者、我が匣に閉じ込め
1がカーシュ視点だったのに対し、こちらはヤマネコ様視点です。
彼の者はカーシュの事です。カーシュを脅して自分のものにしたヤマネコ様。
*祈り囚われし者は我を乞う
祈り〜は1にあったようにカーシュの事です。我を乞うってのは・・・本編読んで頂ければお分かりかと。(笑)
*彼の者の祈りに我は黙する
カーシュに何故自分を抱くのかと問われ、はぐらかしたヤマネコ様。
*只、彼の者を捕らえる者なり
利用したいからカーシュを捕らえているのではなく、利用する、といった理由を付ける事でカーシュを繋ぎ止めているといった感じです。
*彼の者、我が手を逃れ夜を舞う
繋ぎ止めておきたくてもそれが適わぬ所まで来てしまい、カーシュを手放したヤマネコ様。
夜を、というのは暗くて見えない、つまりカーシュが手の届かぬ所へ行ってしまったという事を意味してます。
*虚ろな腕は力無くしなだれて
虚ろな腕とは自分の元(腕の中)からカーシュが居なくなったという事。力無く〜は自分の野望を叶えたいと思うが、それはカーシュを失うと同意義であるから微かな迷いが出た、ということを現わしています。
*彼の者は、如何なる星の下に
自分から逃れたカーシュは今どうしているのか。もし、自分が死んだら、彼の心の一部となれるだろうか…。
そんな感じの意味です。
花咲く〜完結編
「我がひとに与ふる哀歌」
*後に悔いるは、気付かぬ想い也。
これは1の「君去りて後〜」と同じような感じです。居なくなって漸く気付いた自分と相手の想い。
どうしてもっと早く気付けなかったのか・・・そんな意味を持ってます
*せめて聴き給う、此れ、我が人に与ふる哀歌也。
哀歌は伝える事ができなかった想いを示しています。伝える事ができなかったこの想いを、せめて、貴方に聴いて欲しいのです。そんな意味です。
ちなみにこの貴方というのは読者であり、キッドでもあり、息子でもあり…自分(カーシュ)とヤマネコに関った人の事を指しています。
花咲く〜番外編
「されど我らが日々」
*其は優しき思ひ出なれど、今は一時の別離なり
ヤマネコ様に優しくしてもらった記憶は、とても大切な物だけれど、ヤマネコ様を憎んで(憎まなくてはならないと思い込んで)いるカーシュにはその記憶はあってはならない物だからと記憶の奥底へと仕舞い込んだ。
*さらば愛しき思ひ出よ。されど、我らが日々は真に在り
ヤマネコ様の暗示も手伝って無意識の内にヤマネコ様に看病された時の記憶を閉じ込めたカーシュ。けれど、あの愛しく、優しい日々は確かに在ったのだ、という意味。
…とまあこんな感じです。説明下手ですみません…(爆)