アムロ祭り、ログ
(09/11〜09/20)

 

9月11日の花:なす=真実

シロッコ×アムロ?(ティターンズなアムロ)もう、どうだって良かったんだ。
『アムロ、何故ティターンズなどに屈した!』
連邦も、ジオンも。
毎日毎日実験されて、頭の中弄繰り回されて。
『ティターンズが何を行なっているか、わかっているだろう!』
だから、誰でも良かったんだ。
「知ってるよ、シャア」
僕を愛してくれる人なら。
「今回の作戦であのコロニーに住む人達が死に絶える事も」
だから、みんなを裏切ったレコアさんの気持ちはよく分かった。
「サラ」
『はい、アムロ大尉』
僕も彼女も愛されたいと願う心を止める事ができなかった。
「もうすぐで援軍が来る。そうしたら君は下がるんだ」
『了解しました』
だからティターンズに居ると言う事実にも耐えた。
『アムロ!』
「貴方がそこにいるように、僕がここにいる事に何の不思議も無いよ」
百式から間合いを取り、通信を断ち切る。
『アムロ』
今度は違う男がスクリーンの一角に現れる。
『サラと一緒にお前も下がれ。作戦は終了した。帰艦するんだ』
掃除は他の者にやらせればいい。
「了解」
パプティマスの姿がスクリーンから消える。
「じゃあ、増援が来るまでに三機くらいは落としておこうかな」
パプティマスが僕を必要としてくれるなら、それに応えるから。
「アムロ・レイ、行きます…!」
真実なんていらない。
だから、僕を愛して。




9月12日の花:くず=治療
ブラアム(パラレル?)

頭が痛い、体がだるい。
ああ、暑いのか寒いのか…。
「アムロ」
重い瞼を上げると、横になっているアムロをブライトが覗き込んでいた。
「食べれるか?」
視線を彼の手元へ向けると、六つ切りにされたオレンジが皿に盛られていた。
「少し食べる…」
のろのろと体を起こすと水の注がれたグラスを差し出される。
アムロはそれを受け取り、グラスに口を付けた。
水はそれなりに冷えていて、アムロの喉を涼やかに降下していった。
その半分ほどを飲んでブライトに返すと、グラスはベッドサイドテーブルに置かれた。
ブライトはオレンジの厚い皮を捲り、アムロの口元へ持っていく。
「ん…」
アムロはそれを頬張り、緩慢な動作で咀嚼し、飲み下す。
オレンジの酸味は、熱で敏感になっている口内には少し攻撃的だった。
けれどアムロは次を強請り、ブライトはそれに応えた。
「御馳走様です」
結局全てをブライトに食べさせてもらったアムロはぺこりと御辞儀をした。
熱で碌に思考が働いていない様だ。
ブライトがテーブルの上に置かれている薬を取り、アムロに手渡す。
アムロはその白い錠剤を口内へ放り込み、続いて差し出されたグラスを受け取る。
「…ふう…」
ブライトは空になったグラスを受け取り、再びテーブルへと戻した。
「他に何かあるか」
「……」
アムロは一瞬何か言いたそうにしたが、すぐに首を左右に振った。
「大丈夫」
そしてこてんと横になる。
「寝てれば治るから…」
ブライトはそんなアムロを暫し見下ろしていたが、
「アムロ、もう少し向こうに詰めろ」
突然アムロのベッドに潜り込んで来た。
「え?ブライト?感染るって」
「移せばいいさ」
片腕を自分の枕に、そしてもう片腕でアムロを引き寄せる。
アムロの体は汗ばんでいたが、ブライトは構わずぴったりと密着した。
「……ブライト」
やがてアムロもブライトに擦りより、彼のシャツにしがみ付いた。
相変わらず頭は痛いし体はだるいけど。
こんなにも、心地良い。




9月13日の花:ヤナギ=素直
ガトー×アムロ(パラレル)

「なあアムロ、ガトーのどこが好きなんだい?」
と聞かれたから、
「体」
と素直に答えたら、
「あれ?ガトー、どうしたの?」
ガトーがこれ以上に無く落ち込んでしまった。
え?え?なんで?何で落ち込むわけ?
だってガトーの体って凄い逞しいじゃない。
腹筋も綺麗に割れててさ。
手もゴツゴツしてて大きいし。
腕だって俺と違って硬いし。
背中だって広くってさ。
俺、ガトーの腹にくっ付いて寝るの大好きなんだ。
シャツ一枚越しが一番好き。
布を伝って感じる体温が良いんだよね。
勿論直接くっ付いてるのも好きだけどさ。
ガトーが俺の髪撫でてくれるのも凄く好きだ。
あとガトーの喉に手を当てるのも好きだなあ。
ガトーが喋る度声帯が震えてるのがわかってさ。
ここがこんなに良い声出してるんだって思うとキスしたくなる。
「ア、アムロ…」
「それに…って何?」
あれ?ガトー復活?
ていうか、どうしたんだ?
ガトーの顔、真っ赤なんだけど。




9月14日の花:アザミ=安心
ガトアム(SRW)

ガトーとアムロは所謂恋人同士だ。
例え周り(特に赤とか青とか)が認めてなくとも、だ。
「何故ガトーなんだね!」
件の赤い人の詰問に、アムロは嫌そうな顔をした。
またか、と言わんばかりの表情だ。
つい先程、青い髪の少年から逃げて来たばかりだと言うのに。
「だから、放っておいてくれよ」
もうこのセリフもいい加減言い飽きた。
「いいや、放っ「あ、ガトー!」
下のデッキにガトーを見つけたアムロは広げた書類を手早く片付ける。
「アムロ!」
「煩いなあ、シャアは」
そして柵に足をかけ、床を蹴った。
「ガトーは一緒にいて安心できるし」
無重力空間にアムロの体がふわりと舞う。
「貴方はしつこいから嫌いだ」
べ、と舌を出してガトーの元へと向かった。
「アムロ」
アムロはガトーに腕を引かれ、デッキに降り立つ。
「ガトー、これから夕食?」
「ああ」
「じゃあ一緒に行く」
「だが、途中じゃないのか?」
アムロの仕事量はとにかく多い。
艦長であるブライトに次ぐ多忙者の一人だ。
「休憩。どっちにしろシャアが邪魔だったし」
「……そうか」
ガトーは頭上から振ってくる殺気に一つ溜息を吐いた。

 

9月15日の花:ススキ=生命力
アムロ、フラウ(CCA、フラウ、何故か一人で地球に居たりする)

「オーロラが…」
フラウは震える唇で呟いた。
夜空に鮮やかなオーロラが揺らめいている。
あれは、アムロだ。
フラウはそう感じた。
あれは、アムロの生命の輝きなのだと。
「アムロッ…!」
――フラウ…
「え?」
フラウは辺りを見廻した。
目の前に、きらきらとした緑の光が現れる。
――フラウ・ボゥ……
その僅かな光の粒たちが囁く。
フラウは震える手で口元を覆った。
「アムロ…!アムロなのね…!」
――フラウ・ボゥ、君は幸せになるんだ…
「アムロ…!」
フラウはその輝きの前に膝を付く。
「アムロ、嫌よアムロ、嫌…!」
フラウはその輝きを否定するように首を左右に振る。
――フラウ…僕の好きなフラウ…
フラウははっと息を飲んだ。
――それが、僕の何よりもの願いだから…
「アムロ…!」
フラウは震える声で告げる。
わかったから、と。
「わたし、幸せになるわ…!誰より…!」
だから、アムロ…!!
――ありがとう、フラウ…
光は微笑みの様なきらめきを見せ、消えた。
「アムロ!!」
光の一粒さえも、フラウの手には残らなかった。
「ああっ…!!」
フラウは床に崩れ落ち、泣き声を上げた。
ああ、私の好きなアムロ。
「アムロ、アムロォ!!」
あなたは、死んでしまったのね。




9月16日の花:ヤマゴボウ=野性、元気
藤原×アムロ(SRW)

「あれ?アムロ大尉、それ、どうしたんですか?」
朝食を共にしていたシローがふとそれに気付いた。
アムロの首筋に、何やら痣らしきものがあるのだ。
それがキスマークならシローだって野暮な事は聞かない。
アムロとて成人男性。
時にはそう言う事もあるだろう。
だが、
「ああ、これ?」
アムロが苦笑して首を傾げる。
そして露わになった首筋には、くっきりと歯形が。
思い切り噛み付かれたのだろう、青黒く変色している。
そして恐らく多少なりとも出血もしたと考えられるその痕。
とてもキスマークだなんて可愛らしいものじゃない。
「いやあ、いつもの事ながら食い千切られるかと思ったね」
「いつもの事?」
首を傾げるシローに、アムロは笑うばかりだ。
「そういえば昔、何かで読んだんだけど」
「??はあ」
「獣は交尾の際、オスは相手の首筋に噛み付く事があるんだってね」
「……は?」
まさか。
「いやあ、まさか自分が身を以って体験する事になるなんてねえ」
「いや、アムロ大尉…」
あはは、じゃなくてですね?
貴方が噛まれる側なんですか?!
「おい」
すると不機嫌そうな声と共にアムロの隣りに座る男が居た。
「何で起こさねえんだよ」
朝食のトレイをテーブルに置く、まだ眠たそうな顔をした黒髪の男。
藤原忍だ。
「起こしたよ。君が起きなかっただけで」
柔らかく笑うアムロ。
「ちっ…」
シローはそんな二人のやり取りから視線を有らぬ方向へと逸らす。
何で藤原?!
いや、見なかった事にしよう、聞かなかった事にしよう。
うん、そうだ、それがいい。
シローはそう結論付けて食事に専念する事にした。




9月17日の花:ハゲイトウ=見栄坊
アムロ(軟禁時代/MDシリーズ)

一年戦争が終わり、四年が過ぎた。
「シィ、起きるんだ」
アムロがシャイアンで過ごし始めて、四年。
「Yes,Master...」
始めの数年は実験体としての毎日だったけれど、今は違う。
「やあ、おはよう」
月に何度かラボに連れていかれる程度で、それ以外の時間といえば。
「気分はどうだい?」
外への自由が殆ど無い彼は、機械弄りに没頭した。
その結果が「MD(モビルドール)」だった。
「動かない所はある?」
人の形をした、機械。
人工の皮膚に覆われた、金属の塊。
「……All green。問題ありません、マスター」
それは人と同じ様に言葉を操り、理解し、行動する。
「僕の名前はアムロ。だから、そう呼んで」
アムロの言葉に彼は笑顔を浮かべる。
「はい、アムロ」
その表情すらも、人のそれで。
「うん、合格」
人と似て否なるそれへ、アムロはふわりと微笑んだ。




9月18日の花:マルメロ=誘惑
ガトアム(SRW)

最近、どうにも忙しくてガトーに触れてない。
向こうも向こうで忙しいらしく。
「あ、ガトー」
通路で偶然逢えた時も、
「今夜、そっち行っても良いかな?」
と聞いたら彼は即座に。
「駄目だ。目を通したい書類がある」
それでも食い下がって、
「じゃあ、次の会議が終わってからは?」
と続けてみても案の定。
「いや、すまないが整備がまだ済んでいないのだ」
「…わかった」
するとさすがにガトーも気が引けたのか、
「夕食前の時間なら、多少空いている」
と妥協案を提示してくれた。
「わかった」
そして二人はそれぞれの持ち場へと戻っていく。
約束の時間まで、あと数時間。
アムロは今日ほど時間を長く感じた事は無いと思った。
「ガトー」
漸く訪れたその時間に彼の部屋を訪れる。
彼の部屋は相変わらず殺風景で、割り当てられた時のままに近かった。
だが、彼らしいとアムロは思う。
「あのさ、ガトー」
椅子に座ろうとするガトーの腕を引き、ちらりと時計を見る。
食堂が晩餐のざわめきに包まれるまで、あと三十分。
更にそのざわめきが消えるまで、加えて一時間。
自分達の食事時間を二十分として。
ギリギリ、かな。
「欲求不満は心と身体に毒だと思わないかい?」
アムロはにっこりと満面の笑みで彼の首に腕を廻す。
問題は、この堅物が乗ってくれるかって事で。
「アム…」
さて、ここは一先ずシンプルに。
「……して?」
さあ、どうする?




9月19日の花:サルビア=恋情
シャアム(パラレル)

〜〜〜♪『メールを受信しました』
23:29、アムロ『ごめん、明日、無理かも』
23:31、シャア『何かあったのかい?』
23:36、アムロ『上から変更の通達が来た。また一からやり直しだ』
23:37、シャア『私の事は気にしなくても良い。君、食事は?』
23:41、アムロ『食べた』
23:43、シャア『また栄養剤だけじゃないだろうね?』
23:46、アムロ『明日の昼までには帰るからさ』
23:48、シャア『全く君は。食事はちゃんと摂るように言っているだろう?』
23:59、アムロ『うるさいなあ。集中できないから送って来ないでよね』
一時中断。
〜〜〜♪『メールを受信しました』
06:08、アムロ『早朝からごめん、あと、昨日の事も、ごめんなさい』
06:12、シャア『終わったのかい?昨日の事は気にしなくても良い』
06:18、アムロ『うん、ありがとう』
06:20、シャア『これから帰ってくるのかい?』
06:24、アムロ『そのつもり』
06:26、シャア『気を付けて帰っておいで、アムロ』
メール交換終了。
「ホントはさ、仮眠摂ってからのつもりだったんだけど…」
どうしても、顔が見たくなって。
「嬉しい事を言ってくれる」
さあおいで、アムロ。
「あのベッドでの独り寝は、なかなか寂しいものだったぞ」




9月20日の花:しおん=何処までも聖く
アムロ、クェス(CCAパラレル)

「アムロ!」
νガンダムのコクピットにクェスは飛び込んだ。
「アムロ、大丈夫?」
アムロはシートに身を委ね、ぐったりとしている。
戦場の思念を受け止め過ぎたのだ。
「アムロ!」
クェス、と吐息の様な声が耳を擽った。
アムロはクェスの手を借り、シートから身を起こす。
「大尉!」
「アムロ大尉!」
チェーンとアストナージが心配そうに覗き込んでいる。
「どいて!邪魔よ!!」
アムロはクェスに支えられながらデッキへと出た。
「大尉!」
「…大丈夫だから」
チェーンが支えようとするのをアムロはやんわりと拒んだ。
アムロの腕を取るクェスがチェーンを唇の端で笑った。
なんてバカな女。
アムロにそんな事を言わせるなんて!
「アムロ、ここでしちゃおうよ」
「だが…」
「だってアムロ、絶対部屋まで持たないよ!」
クェスはそう言ってアムロの正面に周り、思い切り抱き着いた。
「クェス!!」
チェーンが非難の声を上げる。
だが、アムロが応える様にクェスの体に腕を廻し、彼女は言葉を詰らせた。
お互いがお互いを引き寄せ、ぴったりと密着する。
クェスがとん、と機体を蹴り、ふわりと二人の体が舞った。
その空間ではお互いを抱きしめる腕の力以外は必要としない。
クェスは眼を閉じたままアムロの体温を全身で感じる。
――クェス…
そして、聴覚を通さず聞えてくるアムロの声。
(聞こえるよ、アムロ)
その声に応えた瞬間、『クェス』は拡散した。
アムロと溶け合い、その宇宙(そら)と一つになる。
アムロの宇宙に、クェスは居た。
その宇宙を切り裂くような無数の悲鳴が聞える。
(消えちゃえー!!)
クェスはその淀んだ悲鳴達に消滅を念じる。
するとそれは光に掻き消されるように星の海からその姿を消した。
(よっし!掃除終了!)
アムロの宇宙は綺麗なんだから、汚すヤツは許さないんだからね。
そしてクェスはアムロを呼ぶ。
それに応えて星の海は揺らぎ、クェスは自分の意識が一つに纏まっていくのを感じた。
(この感覚、好きじゃない)
ずっと、アムロと一つで居られたら。
そしてクェスとアムロは、別々の存在へと戻った。
「クェス、ありがとう」
目を開け、アムロの腕の中から彼を見上げ、クェスはにっこりと笑った。
「良いよ。アムロの宇宙は大好きだもん」
「そう?」
「ん〜〜ゴホンッ!」
「「?」」
わざとらしい咳払いに二人が振り返ると、アストナージが二人を見ていた。
「アストナージ、変な顔」
「ごめん、アストナージ」
ケタケタと笑うクェスにアムロは苦笑を浮かべて男に謝罪する。
よく見廻してみれば、デッキに居た人達の殆どの視線を集めてしまったようだ。
その中で一際強い視線を向けているチェーンにクェスは気付いた。
例えNTじゃなくとも嫉妬や怒りの色が目に見えて分かる。
だがクェスはそれを無視し、アムロから少しだけ体を離した。
「アムロ、まだ少し休んだ方が良いよ」
行こう、とアムロの腕を引き、クェスは無重力空間をゆったりと泳いだ。

 

戻る