6月16日の花:スイカズラ=愛の絆 ヤマネコ、カーシュ/クロノクロス(花咲く〜IF設定) |
ヒョウ鬼の姿で居る時のヤマネコは比較的大人しい。 基本的にカーシュの後を付いて回っているだけで、何かしらでカーシュの傍に居られない時は船首なり船尾なりの隅っこでひなたぼっこをしている。 命知らず、基、何も知らない子供などが近づいても威嚇する事もなく無視を決め込んでいる。 仮令ラズリーが枕代わりにしても(こちらは正真正銘の命知らずだ)これも無視して揃って日向ぼっこに励んでいる。 いや、もう、うん、なんていうか。馴れた。 彼が滅多にヤマネコとしての姿をとらない所為か、セルジュたちも気付けば彼の存在を受け入れている。 ヤマネコと直接的な関わりを持ったことが無かった者に至っては「食費不用で世話もしなくてもいい動物」くらいにしか思ってないのだろう。 ただしヤマネコと少なからず関わりのある者たちはこれ以上になく複雑な心境ではあったが。 しかし当のヤマネコは前述のように現時点で害在るわけでもなく、むしろ星の塔や龍神の攻略は勿論、彼の頭にはこのエルニドの歴史全てが詰まっている。更に言うなら戦闘も非常に強く、彼の使役する使い魔たちもこれまた非常に優秀だ。 こう言うのは非常に不本意だが、有り難い存在だったりする。 が。 実は一番得をしているのは当のヤマネコだったりする。 例えば、ヤマネコの姿で抱き着くとカーシュは真っ赤になって怒り出すのだが、(それはそれで良いらしいが)ヒョウ鬼の姿だと反対にカーシュの方から抱き着いてくるのだ。(毛並みが気持ち良いらしい) その上ベッドに潜り込んでも文句言わないしヤマネコ姿でいるより格段に気を抜いて話し掛けてくる。 この態度の差。ヒョウ鬼の姿でいる時間が増えない方がおかしいというものである。 因みに、何も知らない人から見ればペットとその飼い主の微笑ましい光景で済むのだが、事情を知る人から見ればエライ光景なわけで。 しかもそれにカーシュ自身が全く無自覚ときた。(ヤマネコは確信犯かと思われる。または自分とカーシュ以外はどうでも善いとでも思っているのだろう) なのでうっかり二人(一人と一頭?)が仲良ーく寄り添って寝ている姿などを見てしまった日には額面通りに受け取って微笑ましく思うべきか、ヒョウ鬼の正体のことを思い、薄ら寒い思いになるべきか厭な汗が流れること請け合いだ。 というわけで。 ――嗚呼…今日も平和だなあ… 現実逃避が癖になってしまった人も少なくはない。 |