6月21日の花:ニセアカシア=親睦 スネハリ/ハリポタ |
「うわぁ〜!」 何故こうなったのかを説明するとなると、非常に長い話となる。 「先生、スネイプ先生!ほら見て!!」 結論だけを一言で言うとアレだ、アレ。 「夕陽が湖の水面に反射して凄くキレイ!!」 セブルス・スネイプがハリー・ポッターのおねだり攻撃に惨敗。 「箒もいいけど、ヒッポグリフも楽しいー!!」 その為、スネイプはハリーとヒッポグリフの背に跨りお空のランデヴー(寒)と相成った。 えー長い話と承知でここに至るまでの経緯を説明するならば、ハリーは夏休みに入る直前にスネイプ先生とヒッポグリフで遠乗りに行きたーい!と直談判したのだが魔法薬学教授は当然の如く誰が行くかそんなもんと言わんばかりにけんもほろろにお断りしてとっとと追い返そうとしたのだがそこは根性は人一倍のハリー・ポッター、諦めることなくしつこくしつこく喚き散らして果てには先生が了承してくれないならシリウスと行くからいいもーん!などと言い出すものだから待て待て待て良かろう我輩が付き合ってやろうではないかホントですかスネイプ先生!ありがとうございますーぅ!! …うん。別に長い話じゃなかったね。これは失敬。 「ね、ね、来て良かったですよね!」 まあとにかくそういう事でヒッポグリフの背に跨り、風を切る音に阻まれながらも叫ぶように言うハリー。ここでスネイプが「そうだな」と囁いてハリーにしか見せない微笑みを浮かべるかと思ったら大間違い。 「水面ギリギリを飛ぶな。飛沫がかかる」 夕陽でとってもロマンティックにキラめく湖の水面なんてこのカビ臭い男と来たらこれっぽっちも見ちゃいない。とっとと帰って読みかけの蔵書の続きを読みたいものだやれやれとでも思っているのだろう。かっちーん。ハリーは内心でこの油髪野郎めティモテで洗うぞコラと毒づいた。(ティモテティモテ〜) しかもスネイプと来たらいつも通りのずるずるしたローブ姿で来るもんだからバタバタバタバタと風に翻る音が五月蝿いの何のって。これはもうはためくとか翻るとかそんなレベルを通り越して風とローブの殴り合いだ。 だかしかしだかしかし駄菓子かし!折角のスネイプ先生とのデート?なのだからここは楽しまなくては。またいつこんな機会が巡ってくるか、寧ろ飛行を好まないこの男のことだからこれが最初で最後かもしれないじゃないか。 「それで湖を何周すれば気が済むのかね」 あと千二百六十五周とでも言ってやろうかしら。けれどそうなるとヒッポグリフが可哀相だ。ハリーがそう思った瞬間、あるシーンが脳裏を過ぎった。 そうだアレだ!ここで一つラヴでロマンなムードにするにはアレしかない!ハリーは確信した。 「スネイプ先生!タイタニックやりましょうよタイタニック!!」 そう、あのタイタニック号の船首で夕日を浴びながら両手を広げる女、それを支える男。二人の間に漂う甘い空気!一歩間違えたら海へ落下という船員からしてみれば迷惑この上ないかの有名なシーン! 「沈没したいなら勝手にしたまえ」 憎しみで人を殺せたら…!! 背後の男の鈍感っぷりに思わずキィィ!と憤怒の声を上げれば「何だとうとう猿に退化したか」と追い討ちを掛けてくる始末。 「そうじゃなくて!知らないんですか!って知らないよこの人ってば生っ粋の魔法使いだったよ!!」 マグルの映画なんて知るわけないじゃないか僕のバカバカ!!ええいくじけるな!そうさくじけたら終わりだ!頑張れハリー!ガッツだハリー!! 「タイタニック号沈没をモチーフにした映画があるんですよ!そのヒロインが船の先端でこうやって…!」 「ばっ…!!」 さてここで問題です。 びゅんびゅん飛び回るヒッポグリフの背の上で突然上体を起こして両腕を広げたらどうなるでしょう。 答え。 ばっしゃーんっ!!!×2 風圧に吹き飛ばされ見事にドボンですドボン。因みにヒッポグリフは身軽になったことを喜んで二人の上空で円を描くように飛んでいらっしゃる。 「…ぷはっ」 「……貴様…」 おおうスネイプセンセイお怒りモード? ていうかごめん、オチが浮かばないからこれで終わりね、はい終了〜。 その後二人がどうなったかはもう勝手に想像してくれ。 あーあ、またまともなスネハリ書けなかったよヤレヤレ。 |