7月7日の花:マツヨイグサ=ほのかな恋
恋次、一護/BLEACHパラレル




「一護!」
耳に馴染んだ声に視線を向けると、阿散井恋次がこちらに近づいてくる所だった。
「あれ?恋次、お前、南流魂街に行ってんじゃなかったっけ」
「さっき帰ってきたんだよ。で、報告の帰り。てめえはまた問題起こしたのか?」
「うっせぇ。だけど今回のは怪我の功名ってやつだぜ。ジイさんが流魂街に出ても良いってよ」
「マジかよ!」
「ああ、これで堂々とあいつらに会いに行けるぜ」
嬉しそうに笑う一護の姿に、恋次の表情に僅かな陰りが落ちる。
「…一護」
「あ?」
「てめえは…流魂街に居る方が楽しいか?」
彼にしては珍しく視線を伏せ、そう問い掛ける姿に一護は首を傾げた。
「何だよ、突然」
「いや…」
「何だよハッキリしねえなあ。別にどっちが良いとか悪いとかねえよ」
「…そうかよ」
一向に表情の晴れない恋次を一護は「あのな、」と見上げる。
「別に瀞霊廷が嫌で外に行きたいとかじゃなくて、そこに俺を受け入れてくれる人たちが居るから会いに行きたいわけだ。で、ここだってお前らがいるから嫌いじゃない」
わかるか?と睨まれ、恋次は曖昧に肯いた。
「テメエ、わかってねえだろ」
聞けるわけが無い。
「わかったっつってんだろ」
流魂街の連中と居る時の方が、楽しいのか?
俺と居るより?
言えるわけが無い。
顔も知らねえやつらに、嫉妬してるなんて。
「れーんじっ!」
「しつけえっつーんだよバカ!」
「ああ?!」
誰より、何より、
「テメー恋次!謹慎解けたら真っ先にぶっ倒してやらあ!」
「おうおう上等じゃねえかイチゴちゃんよォ!」
お前を閉じ込めておきたいのは、上の奴等じゃない。
「アクセントは「イ」だっつってんだろがー!!」
俺だ。

 

戻る