7月9日の花:ウマゴヤシ=陽気な性格
観音寺、一護/BLEACH




今現在、我が家にドン・観音寺が居座っている。
オヤジと意気投合し、遊子に懐かれた観音寺は「夕ご飯、食べていって下さ〜い!」なんていう遊子の言葉にちゃっかり甘えやがりまして今に至るのでありますよ。ハッ。(自棄)
つーかオフになる度にうちに来るな。居座るな。
他に行くとこねえのかよ。…友達とかいなさそうだよな、コイツ。
つーワケでクソ騒がしい夕食を終え、漸くあのハイテンションから開放されるかと思いきや、とんでもないタイミングで雨が降ってきやがった。
俺的には傘の一本や二本くれてやるからさっさと帰ってくれというのが本音なのだが、オヤジと遊子が雨が止むまでとか何とか言って引き止めやがった。
オヤジはともかく、遊子があんなに喜んでるんだし、まあ、俺は部屋に篭ってれば良いか、と了承したのが運の尽き。俺が甘かった。
俺が自室に引き篭もるのをヤツらが許す筈もなく、強制的に観音寺の相手をする羽目となっていた。
とにかく、いい加減うんざりしている俺は観音寺の話など右耳から左耳へ、寧ろシャットアウト状態で適当に相槌を打っていた。
そんな時、ふと思い出した。
「室内にいる時くらいサングラス外したらどうだよ」
こいつ、メシん時も着けっぱなしだったよな。
すると観音寺は「オウ!」とエセアメリカンな反応をした。
「すまないボーイ(俺の妥協点。「マイ一番弟子」よりは遥かにマシ!)、私は少々目が悪くてね」
そう言って観音寺がサングラスを外した。
何処か違和感のある眼。何だ?
「眼の筋肉が弱いから瞳孔が上手く機能しないのだよ。日の光が直接当たると困った事になってしまう」
言われてみると、確かに瞳孔が少し開き気味にも見える。
「室内なら大丈夫なのか?」
「大丈夫、ちかちかする程度さ」
チカチカするっつー事は眼に負担がかかってるって事で…駄目じゃん。
「さっ・さ・と・掛・け・ろっ」
「心配してくれるのかい、ボーイ」
「だっ…」
誰がてめえの心配するか、という怒鳴り声は何処かへ消えてしまった。
「ボーイ?」
チクショウ、反則だ。
「……何でもねえよ」
何となく悔しくて俺はそっぽを向いた。
心配してくれるのか、と微笑った顔に、微妙に敗北感。
何だよ、普通にしてりゃいい男じゃねえか。
何となく、敗北感。
何となく、俺の負け。

 

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