7月26日の花:クルマユリ=沈黙 一護/BLEACHパラレル |
一護は今でこそ零番隊隊長だが、以前は第二席だった。 つまり、前任がいたのだ。 一護は彼に戦闘を始めとする全てを学んだと言っても過言ではない。 だがある事件を切っ掛けに、一護を含め四人きりだった零番隊は二人が死亡、そして当時の隊長は尸魂界永久追放となり、そして一護は独りとなった。 それからすぐに茶渡泰虎が新たに加わり、一護を新隊長、茶渡を副隊長として二人きりで零番隊は続いていた。 とは言っても人数の必要な仕事などまず廻って来ない彼らにとって二人きりというのは問題ではなかった。 寧ろ、件の事件を引き摺っていた一護は本人に自覚はなくとも心神耗弱状態にあり、休養を得る良い機会となった。 それから暫くして、脱走した下部強化型改造魂魄を一護が護廷十三隊総隊長を説得して引き取り、ぬいぐるみの体を得たコンが第三席として加わった。 とは言ってもコンは霊力的にはそれほど強いわけでもなく、ぬいぐるみに入った今となってはその脚力もそれほどのものでもないが三人しかいないのだから三席副官補佐の地位となった。 数年後には井上織姫が第三席、観音寺美幸雄が第四席に加わり、コンは第五席になったが本人は全く気にしていない様子で、そもそも階級を重んじないこの零番隊では席数など関係なく過ごしていた。 そして最近になって石田雨竜が加わった。 新参ながらも強い霊力に、彼は第二席に抜擢された。 始めの頃は階級を軽んじる隊内の雰囲気に戸惑っていた石田だったが、今では何処と無く馴染んでしまっている。 そして今の隊図が出来上がったのだ。 彼らは全員死んですぐ死神になった者ばかりで、他の者たちと比べて考え方が「現世寄り」だ。 その為、観音寺以外はみな外見年齢が近い所為か、彼らは隊員と言うより友達感覚が強かった。 それでも矢張り、一護が独りになってしまったその事件の事を聞く事は誰にも出来なかった。 事件直後に尸魂界にやってきた茶渡だけは部分的には事件の事を知っていたが、一護が話さないのなら自分も話さないという姿勢を崩さない。 上位席官の死神しか知らされていない事件らしく、殆どの死神はそれを朧げな要領の得ない噂しか知らなかった。何より他の死神たちは余り零番隊を快く思ってはいなかったし、仮令友好的な死神もその事件の事になると口を閉ざし、そそくさと立ち去ってしまうのだ。 それでも彼らは一護を大切な仲間だと思っているし、一護も彼らをそう思ってくれている。 だから彼らは待つ事にした。 何十年、何百年後でもいい。 いつか一護が話したくなるまで聞かないでおこうと。 そんな空気を一護も何となく察し、彼らが仲間で良かったと心から思った。 |
雨竜は始め、どうしようと迷いました。仮にも滅却師だし。
でも人数が足りなく、だからとオリキャラはちょっと、と思ったので死神にしちゃいました。
オリキャラが既に二人も居るのにこれ以上増やしたくない…(爆)