「俺じゃなくてもいいんだろ」
(ゴドー/逆転裁判夢)




もうずっと前から知ってた。
あの夜、私を連れて行ってくれたのは、私が「成歩堂龍一の妹」だったから。
あなたがあの写真の人かもしれないって思ったときから、ずっと。
もうずっと前から知ってた。

私は、千尋おねえちゃんを越えられないんだろうって。

それは悲しくもあり、同時に誇らしかった。
いつだって千尋おねえちゃんは私の憧れだったから。
だから、悲しかったし、悔しかったけれど、仕方ないって思った。
けれど千尋おねえちゃんはもう死んでしまった。
これはどうしようもない事実だ。
だから私はあんな暴挙ともいえる行動に出たのだ。
無謀な賭けと、保険。
賭けは、私の身体一つでどこまであなたを止められるか。
これは、殆ど失敗。
あなたは私を抱いてくれたけれど、それは私の駄々を聞いてくれただけ。
結局あなたを止められなかったし、全てが暴かれてからもあなたの顔に後悔はなかった。
法廷から出て行く貴方の背を、傍聴席からただ見送るしかなかった。
けれど、勝負はこれから。
この「保険」が、どれだけあなたに未来を齎せるのか。
もう、いいでしょう?
千尋おねえちゃんを忘れろとは言わない。私だって、忘れられないのだから。
けれど、死んだ人にいつまでも囚われないで。
過去ばかり見ないで。未来を見て。

あたしを見て。

あなたはこれで満足だろうけど、私は嫌なの。
知ってるでしょう、私はワガママなの。欲張りなの。
これでも十分我慢してるんだから。
だから、これくらい許してよ。
小さな針が穿った、大きな未来を。
私は手に入れた。
あなたをこちら側に引き止められるかもしれない、唯一つの「保険」を。
あなたの誠実さに付け込む、卑怯な「保険」を。

「ハイ、コレ妊娠証明書。因みに二ヶ月。身に覚えがないとは言わせないよ?」






***
来たよ子供ネタ。どのジャンルでもやりますよ子供ネタ。
ということで成歩堂妹夢はゴドーオチと決定しました。(爆)
きっと子供は女の子で名前は「真尋(マヒロ)」
ヒロイン、子供で釣る気満々です。

 

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