雰囲気的な言葉の欠片:明中暗

01.明星に思う
(成田×達海/ジャイアントキリング)

明け方、成田は目を覚ました。
隣で眠りに就いたはずの存在がいない。
僅かに残る温もりだけがそこに達海が確かに居たという証だった。
のそりとベッドを出て窓辺へ向かう。
そこからベランダへ出れば、空には明けの明星が輝いていた。
ふと下を見て目を見張る。
丁度このマンションから出てきた人物。
あの後姿は間違いない。達海だ。
「達海」
思わずその名を呼んでしまう。
するとまるでその声が聞こえたかのように達海が振り返った。
その表情は見えない。
けれど成田の存在に気付いたのだろう、彼は手をひらりと振ってまた背を向けた。
例えもう一度その名を呼んだとしても、彼が振り向くことはもうないだろう。



***
どっか距離置いてる方がナリタツは萌える。(爆)





02.中途半端な感情
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

好きかと聞かれれば嫌いだと答える。
けれど嫌いかと聞かれれば思わず黙る。
そんな中途半端な感情を達海は理解しているのだろう。
向こうから無理に距離を詰めてくることはないし、言葉を求めることもしない。
ただ隣に座って寄り添っている。
達海はこの手が自らに触れられるのをじっと待っている。
それは羽田にとってとても簡単なようで、難しいことだった。
手を伸ばそうとしてやはり引っ込める。その繰り返しだ。
この中途半端な感情に羽田が名前をつけるのを、達海はただ待っている。
「…達海」
そっと手を伸ばすと達海は「うん」と小さく頷いた。
その手が触れるまで、あと数センチ。



***
羽田の心情がイマヒトツ掘り下げられません。orz





03.暗がりを怖がるような
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

二人で生きていこうと言った後藤に、達海は戸惑っているようだった。
二人が深い中になってもう何年も経つ。
今更言うべき事でもないような気もしたけれど、それでも言いたかったから言った。
そうしたら、達海は思いもよらぬことを言われたような顔をしたのだ。
嫌だったか、と困惑気味に問えばそうじゃない、と返ってくる。
そうじゃなくて、と達海は言葉を詰まらせた。
俺と一緒にいて、本当にお前はいいのか?
人並みに結婚も出来ないし、子供も産んでやれない。
人に公言することすら儘ならない。
そんな関係を、ずっと続けるつもりなのか?
達海らしくない弱気な発言に目を見張る。
まるで暗がりを怖がるような、そんな所が達海にもあったのか。
ならば、後藤に出来ることは一つだった。
不安がる達海を抱きしめ、そっと囁く。
結婚しなくても一緒に居ることは出来る。
子供がいなくてもお前がいればそれで良い。
俺達が幸せならそれでいいじゃないか。
俺はずっと、年とって腰が曲がって歩くのすら億劫になったってお前と一緒に居たいよ。
腕の中の達海は、一度だけうん、と頷くと後藤の首筋に顔を埋めた。
達海の柔らかい髪が顎先に当たる。
もう一回、言って。後藤。
達海が強請る。
何度だって言うさ。
「達海、二人で生きていこう」



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そろそろネタが尽きてきた。(爆)

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