雰囲気的な言葉の欠片:喜怒哀楽

01.喜劇の終わり
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

三秒だけ信じてよ、と達海は言った。
だから三秒だけ信じた。彼が羽田を好きなのは真実なのだと。
しかしそれはやはり命取りとなった。
三秒が三分になり、三分が三日になり、そして。
「ぁっ…はた、ぁ、あっ…」
一週間を越えた頃、とうとう羽田は達海を抱いた。
我ながら堪え性の無い事だと羽田は思う。
けれどあんなに明け透けに誘われてこれ以上耐えるなどバカのやることだ。
「あっ、あっ、や、そんな奥っ…!」
その細い腰をきつく掴み、捻りいれる様に腰を打ち付ければ達海の腰が跳ねる。
ぬちゅぬちゅと結合部が立てる卑猥な水音に煽られながら羽田は一層動きを早めた。
「ひぁっ、ひゃふっ、あっあっ、も、だめ、だめ、はた、はたっ」
達海が一際甲高い声を上げて己の腹に白濁を吐き出す。
「…っく…!」
その極まった締め付けに、羽田もまた達海の中で吐精した。
「……クソッ」
ぐったりと脱力した身体を折れそうなほどに抱きしめ、羽田は毒づく。
これでは全てこいつの思う通りじゃなねえか。
けれど羽田は悟っていた。
もうこの想いに終わりが訪れることはない事を。
「…はた…」
荒い息の下で消え入りそうなほど小さな声が羽田を呼ぶ。
羽田はそれすらも奪おうとするかのように食いつくようなキスをした。



***
在03のそれからみたいな。それにしてもやっと一線越えました。(え、今まで越えてなかったの?)





02.怒らないで聞いて
(黒田×達海/ジャイアントキリング)

練習が終わって、着替えていたら突然達海がやってきて「後で俺の部屋に来るように」と呼び出された。
然して急ぎの用でもないようだったのできっちりシャワーも浴びてから達海の部屋を訪れると、「開いてるよ」とのんびりした声が聞こえてきた。
「何なんスか」
後ろ手に扉を閉めると、ベッドに腰掛けていた達海がこいこいと手を招く。
弱冠警戒しつつも近付くと、「キスして」と強請られてやっぱりと思う。
達海が黒田を呼び出すときは大抵がサッカーとは関係ない事だ。
つまり、恋人としての黒田を求めている時だ。
それ自体は黒田としても吝かではないので強請られるままにキスを落とす。
「ん。…なあクロ、お願いがあるんだけど、怒らないで聞いてくれる?」
「怒るような内容なのかよ」
「んー、フェラさせて」
フェラさせて。
黒田は言われた事をもう一度脳内で繰り返してみる。
一秒、二秒、三秒。
「…はぁ?!ば、おま、なにっ?!」
「何か頑張ってるクロ見てたら襲いたくなっちゃった」
咄嗟に逃げようとした黒田の腰を達海の手ががしりと掴んで止める。
その細腕に何でそんな力があるのかと思うくらいで、黒田の身体は動きを止められてしまった。
勿論、本気で逃げようと思えば逃げられる。
だが。
「ね、クロは立ってるだけで良いから、シてもいいでしょ?」
人の股間に顔を寄せて妖艶に笑う姿にどうして逆らえようものか。
そうこうしている内にも達海の白い歯がズボンのジッパーの金具を噛む。
ジジジ…と一際ゆっくりと下ろされるそれに、黒田は全ての抵抗を諦めた。



***
え?これで終わりますけど?それが何か?





03.哀切に揺れる
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

「…ふっ…く…」
薄暗い室内に荒い息が漏れる。
後藤は熱り立つ自身を扱きながらただ一人の事を考える。
「…達海…」
後藤は達海を愛していた。
それは伝えられるはずもない感情だったけれど、抑えることは容易くなかった。
湧き上がる愛情と劣情。
「達海、たつみ…」
後藤はそれしか知らない鳥のように達海の名を呼び続ける。
何度その身体を組み伏せ、この欲の証を捻じ込んでやりたいと思ったことか。
けれど達海はそんな後藤を知ろうとしない。
否、恐らくは知らないふりをしている。
それこそが達海の答えなのだと後藤は思っている。
だから後藤は達海の親友であり続ける。
そのラインを超えることのない様、自らを戒めて。
それでも時折どうしても遣る瀬無い想いが湧き上がって自慰に耽ってしまう。
終わった後、どうしようもなく虚しくなると分かっていても後藤は止められない。
「たつみ、たつっ…くっ…」
勢いよく溢れた白濁を掌で受け止め、後藤は犬のように何度も短い息を吐いた。



***
突然後藤の一人えちーが書きたくなった。それだけ。





04.楽音を辿る
(深作×達海/ジャイアントキリング)

「フカさん、フカさ、あ、んんっ…!」
ぎしぎしと安っぽいパイプベッドが派手に軋む。
しかしそんな事も気にならないほど深作は達海の媚態に飲まれていた。
「達海っ…」
達海の部屋を訪れたときにはこんな事になるなんて全く予想だにしなかった。
達海がETUに監督として戻ったと聞いて、居ても立ってもいられず古巣を訪れた。
そこで達海に捉まって、クラブハウスに連れ込まれて。(まさか住んでるとは思いもよらなかったが)
十年前の事を問い詰めれば、達海は「それが一番だと思ったんだ」とだけ言った。
あの時のチームの状態がどれだけ不健全だったか深作にだってわかっている。
だからこそ何も言わず去った達海を思うとやりきれない思いに駆られる。
そうして十年前の話は止めてお互いの近況を話した。
今では小学校のサッカーチームのコーチをしていると言った深作に、達海は子供のように喜んだ。
その笑顔が昔と何一つ変わっていなくて、あの頃の想いが甦ってくる様な気がした。
そんな時、達海が言ったのだ。
俺は今でもフカさんの事が好きだよ。
フカさんは全然本気にしてくれなかったけど、本当に好きだったんだ。
じっとその深い色合いの瞳に見つめられ、深作は操られるように言葉を紡いでいた。
お前は忘れろって言ったけど、俺はずっと覚えていたぜ。
それがどういう意味か、わかるか?
顔を寄せたのは達海からだったか自分からだったか。
気付けばキスをしていた。
短く、長く。何度も繰り返されるそれに次第に興奮していった二人はどちらからともなく服を脱ぎ捨てた。
後はもう済し崩しだった。
ぎこちない愛撫にも達海の身体は跳ね、潤滑油がわりのヘアワックスの匂いが部屋中に立ち込める。
「あっ、あっ、あぁっ」
まるでそう鳴る様に作られた楽器のように達海は突き上げられるたびに嬌声を上げた。
その音を辿るように口付ければくぐもった声を漏らしながらも達海の舌が絡んでくる。
このまま全てが一つになってしまえば良いのに。深作は快楽に痺れる思考の淵で思う。
もう二度と達海がこの腕から消えてしまわぬようにと。
「ふぁっ、あっ、イっちゃ、フカさ、イクッ、あああっ!」
「…うぁっ…」
けれど現実は残酷なまでに現実で。
「…っは、っはぁ…」
深作は深く埋め込んだ自身をずるりと引き抜く。
そうして再び、ひとつから二人に戻ってしまうのだ。



***
とうとうやらかした、フカタツでエロwww

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