選択課題・ラブラブな二人へ
最期を看取る (羽田×達海/ジャイアントキリング) 永遠だなんて言葉は信じちゃいない。 達海はそう言って笑った。 だからこの関係が一生続くだなんて、そんな事も思ってない。 ただ、俺の監督生命が終わるまでは。 それまでは一緒に居てよ、と達海は微笑う。 監督としての達海猛の最期を看取って。 それでもまだ一緒に居たいと思ってくれるのなら。 ただの達海猛でもいいのなら。 その時は、永遠を少しだけ、信じてもいいよ。 そう言って笑った達海は何も分かっちゃいないと羽田は思う。 達海は全てが羽田が心変わりするかもしれないという前提で話を進めている。 しかしそれと同時に、自分がそうなることは前提として入っていない。 つまりは達海は達海が信じていないといった永遠で以って羽田を想おうとしていることに気付いていないのだ。 アンタはバカだ。羽田は思う。 アンタが欲しがっている永遠はすぐそこにあると言うのに。 けれどいいだろう。アンタの望むように最期まで見ていてやるよ。 そうしてこの想いがアンタと一緒のものだったと。 思い知らせてやるよ。 *** 基本、うちのハタタツはタッツが羽田にベタぼれですが、偶には逆な立場でも。 舐める (緑川×達海/ジャイアントキリング) 「ん?」 緑川と二人コンビニからの帰り道、不意に達海が立ち止まった。 「どうかしたかい」 「んー、目にゴミ入ったかも」 目をしぱしぱと瞬かせる達海に、どちらかを問えば左、と応えが返ってくる。 「どれ」 言うなり緑川が達海の左目に唇を寄せ、べろりと眼球を舐めた。 「ぅあわ?!」 吃驚して飛び退くと、くつくつと喉を鳴らして笑っている緑川と目が合った。 「治ったかい?」 「え?あ、治った…」 ぱちくりと眼を瞬かせてから達海は少しだけ恨めしそうに緑川を見る。 「ドリ、一言言えよ、ああいうのはよ」 「そりゃあすまなかったな」 照れ隠しだとばれているのだろう、緑川の笑みは一層深まるばかりだ。 「ああもう、今度ドリの目にゴミ入ったら同じことすっからな!」 「ああ、望むところさ」 *** うちのタッツは緑川の事はドリ、ドリさん、宏君を適当に使い分けて呼んでます。 髪にキス (持田×達海/ジャイアントキリング) 情事の後の気だるさというものが持田は好きだった。 と言ってもそう思い始めたのはつい最近の事で、正確には今の相手になってからの事だ。 そしてその今の相手である達海はぼんやりとした表情で裸のまま天井を見上げている。 そのぼんやりとした瞳が良いと持田は思う。 いつもの意志のはっきりとした瞳も好きだが、今のようにその瞳の色が朝もやのように揺らいでいるのも好きだ。 そのギャップがたまらないのだ。 しかもそんな色をさせているのが自分の所為だと思うと余計にぞくぞくする。 「達海さん」 「んぁ?」 間の抜けた声にくすりと笑みを零して持田はその前髪に口付けた。 「戻ってきました?」 「…うん。ちょっと今日、ぶっ飛んじゃった」 誰かさんの所為で、と言われれば余計に自尊心を擽られる。 「俺ら相性良いみたいですね」 「そだねー」 「ねえ、達海さん」 「んー?」 「いつか俺が引退したら、一緒に暮らしませんか」 すると達海はきょとんとした瞳で持田を見た。 その瞳はもう先ほどまでのぼんやりしたものではない。 真っ直ぐに澄んだ目で見つめられ、持田は苦笑する。 「駄目?」 「…クラブハウスまで送り迎えしてくれる?」 その言葉が含む意味を正しく理解した持田は、勿論、と笑顔を浮かべた。 *** ゴトタツ向きのお題だな、と思いながらモチタツを書いたらこんなことに。(爆) 一枚の毛布に包まる (杉江×達海/ジャイアントキリング) ピーッピーッと電子音が響いて達海は「げっ」と声を上げた。 ストーブの灯油が切れかかっている事を知らせる音だ。 灯油のポリタンクが置いてあるのはクラブハウスの裏口だ。 この寒い中、そんなところまで灯油を入れに行きたくない。 すると隣で一緒になってDVDを見ていた杉江が腰を浮かせた。 「俺、行ってきます」 しかし達海はそんな杉江を捕まえてその場に戻させる。 「まだいいさ。それより、ほら」 達海がベッドから毛布を引き摺り下ろしてそれを二人で分け合うように包まった。 「コレで十分温かいし」 試合終了までは持つだろ、と達海は笑った。 *** あの部屋にストーブは置けるのだろうか。 雷に怯える (黒田×達海/ジャイアントキリング) 雷が怖い、なんて殊勝な事を達海が言い出したので。 ちょっと好い気になって家に上げて。 縋られるがままに抱きしめて。 そのままベッドになだれ込んだのが六時間ほど前。 カーテンから差し込む朝日に誘われ目が覚めれば腕の中のぬくもりも目を覚まして。 そうして彼はいけしゃあしゃあとのたまった。 「俺、実は雷全然平気なんだよね」 「だってこの方が盛り上がったし?」 「クロだってしおらしい俺にメロメロだったじゃん」 全く反省の色の無い達海に黒田の中で何かが切れた。 「てめえそこ座れ!」 そうして黒田は達海に雷を一つ、落としたのだった。 *** でもタッツは雷平気だからしれっとしてる。 |