選択課題・ラブラブな二人へ
料理をする (深作×達海/ジャイアントキリング) セックスの後の気だるい空気の中、達海がぼそりと言った。 フカさん、腹減った。と。 長年一人暮らしをしていると最低限の料理くらいは作れるようになる。 深作もそれなりには作れるようにはなっていた。が、達海はそうでなかったようで。 勝手に作れ、と言ったら俺カップラーメンしか作ったことない、と返された。 仕方なく深作がキッチンに立つと、達海が嬉々として後を追う。 夕飯の残りの味噌汁を温め、ご飯をよそって漬物と一緒に出すとそれだけで達海は喜んだ。 「何か新婚さんみたいだね」 「ばっ!何言ってんだお前は!」 怒鳴ってみるものの、にひひっと笑いながら食べる達海に次第に毒気も抜かれていって。 はあ、と溜息を吐いてテーブルに肘をつく。 「なんでお前に惚れちまったんだか」 すると空になった茶碗を置いた達海は至極当たり前のように言った。 「そんなの簡単だろ。俺がフカさんを愛してるからだよ」 *** どんどん深作が別人に…あ、最初からか!ってこれどっかでも言った気がするお!(爆) スーパーで買い物 (後藤×達海/ジャイアントキリング) 鍋料理が食べたい、と言い出したのは達海だ。 じゃあ何処かの店を、と思ったら達海は「鍋くらい簡単に作れるじゃん」と言い出した。 そりゃあお前は見てるだけだからな、と後藤は思ったがここはぐっと堪えて「まあそれもそうだけど」と返す。 まあ家に小さめの土鍋があった筈だし、今日は鍋にするか、と言えば達海は諸手を挙げて喜んだ。 そして二人でスーパーへ買出しにやってきたのだった。 「白菜だろ、ネギだろ、もやしとー」 「こら達海、野菜はちゃんと色を見てから…」 「えーめんどい。あ、つくねは?」 「欲しけりゃ買うぞ」 「少し欲しいかも」 「じゃあ入れておけ」 季節柄、鍋コーナーが出来上がっていて達海の目が輝いた。 「なあ、何鍋がいい?」 達海は何種類もある「鍋の素」をあれこれ手にとっては戻していた。 「こら、むやみやたらと触るんじゃない」 しかし達海は人の話など聞いちゃいない。 「後藤、お前コラーゲン鍋とか良いんじゃね?肌の張りが戻るかもよ?」 にししっと笑う達海にもう何も言う気になれない。 「好きにしてくれ」 「つまんないの。じゃあキムチ鍋にしよ。そんで豚肉も入れようぜ」 ぽいぽいっとキムチ鍋の素と豚ばら肉を籠に放り込み、達海は満足そうに頷いた。 そしてその顔に浮かんだ笑みに後藤はまたよからぬ事を企んでいるな、と思う。 「なあ後藤」 「何だ。もうこれ以上は買わないぞ」 そうじゃなくて、と達海は背伸びをして後藤の耳元に唇を寄せ、囁いた。 「今日はキムチ味のキスだな」 *** 二人で並んで歯磨きしてればいいよ!!! 記憶喪失 (成田×達海/ジャイアントキリング) 酷い頭痛がして成田は目を覚ました。 ここは何処だと見回せば、自室のリビングで。 ソファの上で眠っていたらしくあちこちの関節まで痛む。 ぱさりと体の上から毛布が落ちる。誰が、と考えて思い出した。 そうだ、今日は達海が来て、ヤツが持参した酒を二人で飲んで。 それから? しかし思い出そうとすると頭痛が悪化して成田は考えるのを放棄した。 暫くの間目を閉じてじっとしていると、次第に頭痛は引いていった。 よし、とゆっくり身を起こす。 アルコールは粗方抜けているらしく、足取りに影響は無い。 とりあえず玄関を見てみると、達海の靴があった。まだ居るらしい。 となると寝室だろうか。そっと寝室の扉を開けると、ビンゴ。達海がシーツに包まって眠っていた。 家主がソファでお前がベッドかよ。 そんな事を思いながらもベッドサイドに腰掛けると「ん…」と小さな呻き声と共に達海が身じろぐ。 「…なりさん?」 舌ったらずな声に「おう」と返せばのそりと達海が身を起こした。 「おきたの。よっぱらいなりさん」 こしこしと目元を擦りながら言う達海はまるで小動物のようで愛らしい。 「お前だって酔ってただろ」 記憶に無いが、適当に言ってみれば「成さんほどじゃないよ」と幾ばかりかしっかりした声で返される。 「酔っ払った成さん最悪」 しみじみとした口調で言われ、何かしたか、と問えば覚えてないの?と険の篭った目で睨まれた。 「噛み付くわ言葉攻めするわ羞恥プレイさせるわ何なのアレ」 その辺、ちょっと具体的に聞きたかったが達海の不機嫌さに聞くのは止めておいた。 「…そんな事したのか、俺」 「酔うとドSになるなんて反則だよ」 しかも覚えてないとか最低。 「すまない…」 最悪だの最低だの酷い言われようだったが、実際に達海の首筋に残る歯形に申し訳ない気持ちが湧き上がってくる。 すると達海は殊勝な態度の成田に気を良くしたのか、いいよ、もう。と笑った。 「でも、成さん」 今度するときは、素面でね? *** 素面でなら噛み付かれようが言葉攻めされようが羞恥プレイさせられようがいいらしいよ!良かったね成さん! 幼児化 (後藤×達海/ジャイアントキリング) 達海は奇怪な体質の持ち主だ。 それは月に一度、満月の夜に起こる。 「ごとー」 寝室から起き出してきたのは達海だ。紛れも無く達海だ。 その姿が十歳程度の子供だとしても、それが達海であることに変わりは無い。 「起きたのか」 「ん、はらへった」 そう、達海は満月の夜に限って幼児化するのだ。 といっても頭脳の方は変わらずで、それが唯一の救いだと後藤は思っている。 何とか今までばれずにやってきた。 これからも何とかやっていけるだろうと思えるくらいには回数をこなしてきた。 そして今日もまた幼児と化した達海を後藤は匿っていた。 「そうだろうと思って今タマゴサンドを作ったんだ。食べるだろ?」 「食べる」 タマゴサンドとホットミルク。 それらをもそもそと食べながら「なあごとー」と達海が言った。 「何だ?」 「これ食べたらセックスしようぜ」 「ぐっ…」 思わず口に含んでいたコーヒーを噴き出しかけた。 「…っちょ、お前、何言って…第一その身体で出来るか!」 「えー、やってみないとわかんないじゃん」 「駄目だ。俺は犯罪者になるつもりはない」 「別にちっちぇえのは今夜だけなんだからいいじゃん」 「よくない!」 なあ、ごとー。 ホットミルクを飲み干した達海がぺろりと唇を舐めて言う。 その子供らしからぬ艶を含んだそれに後藤の喉が鳴った。 「えっちなこと、して?」 *** 幼児ネタは色々ネタがあるのですが今回は明るいのを書いてみた。(笑) 膝枕をする (椿×達海/ジャイアントキリング) 気が漫ろだった。その自覚はあった。 が、まさか。 「あ、椿!」 「え?」 この年になって顔面でボールを受け止める日が来るとは。 「大丈夫か椿!」 「だ、大丈夫ッス!」 駆け寄ってくるチームメイトや松原に叫ぶように答えると鼻の奥がツンとした。 あ、まずい。自分でも分かった。 慌てて上を向くと、その動きで松原には分かってしまったらしい。 「鼻血出たか。ちょっと向こうのベンチで横になってろ」 ティッシュを差し出され、それを鼻に当てながら椿はベンチへと向かった。 格好悪い。最悪だ。 しかも向かった先には達海が待ち受けていて余計に椿は気が重くなった。 「よお、派手にぶつけたな」 「か、監督、すみませんっ」 「いいって。それより早く横になれよ」 ほら、と達海は自分の膝をぽんと叩いた。 …ええと? 椿が意味を図りかねて首を傾げると、達海は「膝枕だよ膝枕」とにひひ笑いをする。 「えええええ!」 「ほらほら早くしないとティッシュ真っ赤になんぞ」 「で、でも…!」 「いいから。監督命令!」 伝家の宝刀を抜かれてしまっては椿は逆らえない。 「し、失礼します…」 ベンチに横になり、そうっと達海の膝の上に頭を乗せる。 思っていたより柔らかくなかったけれど、ドキドキは一層強まるばかりだ。 「あ!椿のヤツ監督に膝枕してもらってる!」 「椿ばっかりズルイっすよ!!」 「うるせー!お前ら練習に集中しろ!」 そんな声を聞きながら、椿は当分鼻血は止まりそうにないと思った。 *** 椿は情けないのがイイ!Σd(・∀・) |