選択課題・ラブラブな二人へ

化粧をする
(持田×達海/ジャイアントキリング)

「ハローモッチー…ってあれ?何か顔塗ってる?」
「ちゃーす。ああ、ファンデ塗ってます。今まで撮影だったんスよ」
「ああ、例のケータイの…なんだ。とうとう目覚めたのかと思ったよ」
「とうとうってなんスかとうとうって」
「落としてこればよかったのに」
「だって待ち合わせに遅れそうだったし」
「電話くれればよかったのに」
「少しでも早く会いたかったんですよ」
「そっか。じゃあこれからどうする?」
「とりあえず、コンビニ行きましょう。クレンジング買わないと」
「あー化粧って水じゃ落ちないもんな」
「特に最近のは手ごわいらしいッスよ」
「やだやだ。俺男でよかった」
「俺もー」



***
私は女ですが滅多に化粧しません!(威張る所じゃない)





動物と遊ぶ
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

最近、マンションの近くに住み着いている猫がいる。
真っ白い猫だ。
年はどれくらいだろう。子猫ではないことは確かだ。
まだ若そうな毛並み。尻尾の先だけ黒い猫。
後藤はその猫にタツミと名前をつけた。
毎朝タツミは後藤の出勤時間になると入り口付近をうろついている。
偶然だとわかっていても、もしかして自分を待っていてくれたのだろうかと期待してしまう。
しかし一定の距離を詰めようとすればタツミはすぐにその場を立ち去ってしまい、期待は期待でしかないと知らされる。
マンションの規定で野良猫に餌をやるのは禁止されているのでいつも見ているだけだ。
タツミの方も貰えない事をわかっているのだろう、無闇に媚を売ったりしない。
ただその場でじっと後藤を見ているだけだ。
その瞳が達海を思い出させて、後藤は切なくなる。
イギリスへ旅立つ朝も、タツミはそこにいた。
「待ってろよ、必ず見つけ出してやる」
タツミに向かってそう笑って後藤は背を向けた。
「にゃあ」
初めてタツミが鳴いた日だった。



***
動物と絡ませるって意外と難しいと思った。orz





散歩をする
(杉江×達海/ジャイアントキリング)

杉江と達海は特に目的もなく街中を歩いていた。
「なんか飲む?」
「達海さんが飲みたいなら」
「んーいいや」
ぶらぶらと気ままに歩きながら町並みを眺める。
達海が何か考え事をしているのは杉江にもわかった。
そしてそれはこうして杉江を連れ出している以上、杉江に関することだということも。
やがて、達海はうーんと唸った後、杉江を見上げた。
「スギはさ、何で俺が好きなの」
「何で、ですか」
「俺は男だしおっさんだし、リスクばっかりで良い事無しだと思うんだけど」
「そうでもないですよ」
「え」
驚いたように見てくる達海に、珍しいものを見た、と杉江は思う。
達海は不安なのだ。
杉江を自分に繋ぎ止めておくだけの自信が彼にはない。
だからこんなことを聞いたのだ。
「わからなくて良いです」
「へ」
「アンタはそのままでいてくれれば十分ですから、俺がアンタのどこを好きかなんてアンタは知らなくて良いです」
「何それ、意味わかんない」
そんな拗ねた表情ひとつも、全てが愛しいだなんてきっとこの人に言ったところでわかってもらえないだろうから。
「精々、悩んでください」
わからないままでいいのだ。



***
スギは淡々としているけど愛情の出し引きはうまいんじゃないかなあと。





贈り物をする
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

※前中後の中と後の間です。


ペアの指輪を差し出すと、達海は瞳が零れ落ちそうなくらいに目を見開いて驚いた。
「どったの、これ」
シルバーのシンプルなそれを手にとってまじまじと見ている達海に、後藤は気恥ずかしくなって下を向く。
「いや、その、俺たちは籍は入れられないからせめてこういうのだけでも、と思ったんだが…」
いくら達海が女性化するといっても戸籍上は男性であり、後藤と結婚することはできない。
だからこそせめて、と後藤は指輪を購入する決意をした。
同時に、少しでも達海が後藤と家族であるのだと実感してくれれば、という狙いもある。
「なあごとー」
「な、なんだ達海!」
後藤が顔を上げると、はい、と指輪を突き出している達海の姿。
突っ返されたのだと思った後藤が肩を落とすと、違うって、と達海が慌てた様な声を上げた。
「こういうのは、嵌めてもらうんだろ?」
「え…」
ぽかんとした後藤に、達海がだから、と照れくさそうに言う。
「嵌めてよ。後藤が」
「ああ…」
差し出された指輪を受け取り、達海の手をとる。
すっと指に通すと、ぴくりと達海の手が震えた。
「後藤も手、出して」
言われるがままに左手を出すと、先ほどより一回り大きいリングが後藤の薬指に通される。
「後藤の指輪の方がでかいってのがむかつくけどな」
にかっと笑う達海に、後藤は微笑みを返す。
「なあ、達海」
銀の光が灯ったそこを包み込むようにして後藤は達海の手を両手で包み込んだ。
「幸せになろう。産まれてくる子と三人で」
「…ああ」
ふと泣きそうに歪んだ達海の目尻に、後藤の唇がそっと触れた。



***
ということで二人は一緒に暮らし始めても後藤と達海呼びのままなんです。





落ち葉で焼き芋
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

「焼き芋が食べたい」
達海が唐突に言い出した。
「何なんだ急に」
「今って鍋みたいなので焼き芋焼けるんだな」
これ、と指差したのは有里が置いていった通販雑誌の一ページだ。
「ああ…一時流行ったらしいけど、すぐに廃れたやつだな」
「そうなの?」
「まあ、頻繁に食べるもんでもないからな」
「ふーん」
すると達海はこれが欲しいと言い出した。
「焼き芋食べたいからこれ買ってごとー」
「駄目だ。どうせ届くころには忘れてるだろお前」
「えー。じゃあクラブハウスの裏で落ち葉燃やして焼き芋やる」
「危ないから尚更駄目だ!」
没収、と通販雑誌を取り上げれば後藤のけち、と文句が飛ばされる。
「何とでも言え」
そう言いながらも値段をチェックしているあたり、達海に甘いな、と思わざるを得ない後藤だった。



***
焼き芋焼き機っていつの間に消えたんですか?

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