泣き虫な君へ5のお題

俺がいじめたみたいじゃないか
(佐倉×達海/ジャイアントキリング)

好きなんです、タッツミーが。
そう顔を真っ赤にして佐倉は告げた。
「スキって、俺と寝たいって事?」
「え!あ、いや、そういうんじゃなくて!」
「違うの?」
「あ、いえ、行く行くはってああもう違うんです、すみません!」
半ば叫ぶように言うと佐倉は両手で自らの顔を覆って俯いてしまった。
「あああ…」
泣き出してしまいそうな雰囲気に、まるで達海は自分が苛めたような気になってくる。
「あのね、サックラー」
「いいんです!忘れてください!!」
「サックラー、聞いて」
漸くおどおどと顔を上げた佐倉に達海は苦笑する。
「ごめんね、聞き方が悪かった。サックラーは俺とお付き合いがしたいの?」
そういう好きってことで良いんだよね?
そう問い質せば佐倉は消え入りそうな声ではい、と頷いた。
「じゃあ、付き合おうか」
途端、佐倉は目をまん丸にして口をぱかりと開けた。ちょっと面白い。
「あ、あ、あの、本当に…?」
「いいよ。俺、サックラーの事好きだし」
アイシテルかどうかはわかんないけど、それでも良いなら付き合おうよ。
「ね?」
そう言って手を差し伸べると、恐る恐る佐倉の手が重なった。
「よろしく、お願いします」
はにかむ様な笑顔に、達海もまた笑った。



***
初サックラー×タッツミー!ホントはエロの予定だったんだぜコレ!(笑)





泣き腫らした目
(佐倉×達海/ジャイアントキリング)

告白されて、それを受け入れて。
握手をして笑い合ったら。
「す、すみません、気が緩んだっていうか、その…!」
泣かれた。
「ううん、いいよサックラー」
自分より二つ年上の、良い年したオッサンがあたふたしながら涙を拭っている。
どうしよう。達海は真顔で思う。
どうしよう、可愛い。
涙が止まらなくてはわはわしてるおっさんが可愛い。
「ねえ、サックラー」
「は、はい!」
ばっと音がしそうな勢いで顔を上げた佐倉の頬にそっと口付ける。
「!」
佐倉の頬は、涙の味がした。
「涙、止まった?」
目をまん丸にしてこちらを凝視している佐倉はこくこくと頷く。
「そう、良かった」
それと、ねえ、どうしよう?
「俺、自分で自覚してるよりサックラーの事好きみたい」



***
「俺がいじめたみたいじゃないか」続き。





庇護欲と独占欲、相反する似通った要素
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

庇護欲。
守ってやりたい。
独占欲。
独り占めしたい。
今、自分はどちらの比重が大きいのだろうか。後藤は時折思う。
達海を守ってやりたいという思いに変わりは無い。
けれどこの腕に閉じ込めて他の全てをシャットアウトしてしてしまいたいという思いもある。
時折、庇護欲とは何て独善的なものなのだろうと思う。
達海はそれを望んでいないかもしれないのに、一方的に守ってやりたいと思ってしまっている。
時折、独占欲とは何て邪魔なものなのだろうと思う。
達海はそれを望んでいないだろうに、全てを自分のものにしたくなってきてしまう。
ああそうか。後藤は気付く。
全ては結局は同じことなのだ。
後藤が達海を愛している。
それが全ての真実なのだ。根っこなのだ。
その想いがあるからこそ守ってやりたいとも独占したいとも思うのだ。
ならばどちらの比重が大きいだとか、そんな事はもう関係ない。
全ての感情をひっくるめて、達海を愛している。
それだけが、大事なのだ。



***
後藤さんが気持ち悪い。あ、元からか。←





守ると決めたのに
(後藤×女達海/ジャイアントキリング)

※前中後の中くらいです。


駄目だ、完全に中毒だ。
達海は毒々しい赤の缶を見つめながら思った。
妊娠する前までは一日に多くても二缶までだったのに、妊娠してからは三缶、四缶と飲む日もザラだ。
糖分の摂取のしすぎもよくないと聞いて後藤がジュース類は一日一缶までと定めたのだが。
後藤と約束して、守ると決めたのに。
しまった、ついいつもの癖で。
つい二缶目を開けてしまった。
いや、でもまだ開けただけだし。
いや、でももう開けちゃったし。
どうしよう。凄く飲みたい。
開けてしまった缶をテーブルの上において睨みつけながら達海は悶々とする。
すると扉がノックされて達海は思わず背筋を伸ばした。
「達海、入るぞ」
がちゃり。
「……」
「…あ、あはっ」
ドアノブを掴んだまま後藤が見ているのは勿論、例の缶で。
やがて溜息をつくと「達海」と睨んできた。
「で、でもまだ飲んでないし!マジで!」
つい癖で持ってきちゃったんだってばー。
そう訴えれば仕方ない、と言うように後藤は溜息をついて手にしていたものを達海に渡した。
「これで我慢しておけよ」
コンビニの袋の中には、何種類かの飴の袋。
「シュガーレスのやつばかりだからそれで誤魔化しておけ」
あとこれは没収。とやはりドクペ缶は取り上げられた。
「勿体無いからごとー飲んでよ」
「うーん、まあ、飲めないことも無いからそうするよ」
用はそれだけだ、と出て行こうとする後藤を呼び止めて達海は笑った。
「ごとー、ありがとう」
すると後藤も「いいさ、それくらい」と笑った。



***
まだ付き合い初めくらい。





お前には俺がいる
(村越&??/ジャイアントキリング)

私は昔から、村越おじさんに懐いていた。
何かあるとすぐ村越おじさんを頼ったし、村越おじさんもそれに応えてくれた。
だからたまに何故か辛そうな顔をしている村越おじさんを見るとどうにかしてあげたくて。
子供ながらに気を揉んだものだった。
今思えば、私の存在自体が村越おじさんの苦悩の原因なのだとわかるのだけれど。
当時の私はそんな事思いもしないから、私が村越おじさんを救ってやるのだと思い上がっていた。
いつだったか、大丈夫よ、村越おじさんには私がいるんだから。そんなような事を言った記憶がある。
村越おじさんはちょっと目を見張った後、そうだな、って微笑ってくれたけれど。
今思えば、残酷な言葉だったのではないだろうか。
無知って残酷ね。
あーあ、私が村越おじさんにして上げられることって何だろう?



***
甘えれてやればいいよww

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