優しい君へ5のお題
少しばかり優しすぎる (後藤×達海/ジャイアントキリング) 後藤は少しばかり優しすぎる。 俺が何を言っても大抵は受け入れるし、声を荒げて怒る時は俺を思っての時だ。 だから俺はついつい甘えてしまう。 後藤なら許してくれるからって。 それは余り良い傾向ではない。 俺が後藤に依存してしまう。 …もしかして後藤はそれを狙ってんのか? だとしたらとんだ策士だ。レッドカード突きつけちゃる。 なので、 「なあ後藤、お前って何でそんなに優しいの?」 って聞いてみたらあっさりと。 「お前を愛してるからだよ」 なんて言うものだから。 やっぱりこいつにはレッドカードだ。 *** 何の臆面もなくそう言う事をいえるゴトさんがキモイ。(笑) 束の間の休息 (杉江×黒田×達海/ジャイアントキリング) 休憩中、杉江がそれに気付いて黒田に声をかけた。 「クロ、達海さんが呼んでる」 振り返ると確かに達海が手を招いていた。 「何だよ」 近付いてそう問えば、特に用は無いんだけど、と返されて黒田が「あ?」と声を上げる。 「ただ、ちょっと寂しかったから呼んでみた」 「コーチ陣との打ち合わせでもしてろよ」 「終わっちゃったもん」 ぷーと子供のように片頬を膨らませる達海に杉江は苦笑する。 「全く、子供じゃねえんだからよ」 「じゃあ、休憩が終わるまでここにいます。それでいいですか」 「うん。居て」 嬉しそうに笑う達海に杉江も微笑い、黒田は仕方ないと腰を下ろした。 *** 杉江と結(ry←いい加減にしろ。 光と隣り合わせの闇 (村越×女達海/ジャイアントキリング) ※前中後の前です。 自分が男でありながら女でもあるという事は、幼い頃から知っていた。 自分の身体の事だったし、何より親がきっちりと教えてくれていたからだ。 幼い頃から主治医が居て、カウンセラーと話もして、そういう人たちの集会のようなものにも参加させられて。 それが良かったのか悪かったのかは分からないが、少なくともこの身体を呪うことは無かった。 これは仕方ないことだと分かっていたし、卑下するつもりも無いけれど。 けれど、誰にでも言えることではなかった。 実際、学生時代にこの事実を知っていたのは教師だけだったし、親友と呼べるような相手も作らなかった。 フットボーラーになって、事実を隠しながらの生活はたまに面倒だったけれど、それでも何とかなった。 女の身体で性交渉をしたことは無い。 興味はあったので自慰はしたけれど、それだけだった。 怖かったのかもしれない。 自分は男で、けれど女の因子も持っていて。 女として抱かれてしまったら、男に戻れなくなるような気がして。 だけど。 村越と再会して、あの眼に射抜かれて何かを感じた。 背筋がぞくぞくするほどの何かを。 あんな風に執着されたのは初めてだった。 そこに愛なんて甘ったるい感情が無くても構わない。 そのどろどろの執着をもっと感じたかった。 だからこの男になら抱かれてもいい。そう思った。 そうすることでその執着心が一層深まるのなら、それでいい。 ただ村越の執着を深めるためだけにこの身体を使う。 だって、楽しいじゃないか。 あんな大の男が自分なんかに執着して振り回されているのだ。 もっとその執着が欲しいと思って何が悪いのか。 けれど、その結果が何を齎すかなんて、その時の自分は何も考えもしなかった。 *** そして前中後がの前が始まるわけですな。この時点ではまだ達海も村越に対して明確な愛情はそれ程無いです。 お疲れさま、ありがとう (後藤×達海/ジャイアントキリング) 達海が疲れていることは初めからわかっていた。 けれど何故か達海は執拗に後藤を求めた。 優しくしなくていい、好きに動いていいから。 その言葉に理性の箍が外れ、後藤もまた執拗に達海を求めた。 もうでない、と言われてもそれでも追い立てた。 事が終わる頃には達海の意識は殆ど飛んでいて。 偶然、ベッドサイドの時計に目が行って。 とっくに日付を跨いでいるその時間に、ふと思い出す。 ああ、そういえば昨日は自分の誕生日だった。 だからなのか?と達海を見下ろせば、達海はとっくに寝息を立てていて。 結局、後始末は俺がやるのか、なんて思いながらも。 込み上げてくる愛しさに、後藤は微笑った。 *** ゴトさんはそろそろスローセックスを覚えたほうがいいと思う。(真顔) 喩えるならば木漏れ日のような (後藤×達海/ジャイアントキリング) ※前中後の中の後くらいです。 美幸を抱いている時の達海は本当に優しい顔で笑う。 喩えるならば木漏れ日のような、柔らかな笑みを浮かべて美幸を見る。 「みゆ、みーゆーき、みーゆ」 言葉遊びのように美幸の名前を繰返し呼び、腕の中の赤子をゆったりと揺らす。 それだけで赤子はきゃあきゃあと声を上げて喜ぶ。 美幸は余り人見知りをしない子のようだった。 それでもやはり後藤が抱いている時と達海が抱いている時では表情が違う。 達海の腕の中では浮かべる満面の笑みも、後藤や他の誰かの腕の中ではきょとんとした顔をしている。 母親は別格なのだと思い知らされる瞬間だ。 「何だよ、後藤、にやにやして」 視線に気付いた達海が訝しげな眼で見てくる。 そんなに表情に出ていただろうか。 「いや、お前もすっかり母親だなあって思って」 すると達海はばかだなあと笑って言った。 「お前のおかげなんだぜ?」 お前がいてくれたから、俺はこうして美幸を抱いていられるんだ。 そう返されるとは思っても見なかった後藤は、達海の言葉に胸が一杯になる。 滲みそうになる視界を堪えて、そうか、と笑った。 *** 患者の赤ちゃんが母親以外は旦那でも泣くと聞いて萌えた。(笑) |