あいうえお題

まあ、そんなもんだよ
(持田×達海/ジャイアントキリング)

「なあんだ、最初から正気だったんすかー」
詰まんないの、と達海の隣で寝そべる持田に何言ってんの、と達海は笑う。
「俺に催眠術なんて胡散臭いもん、掛かるわけないじゃん」
「だってー」
ちょっとくらい夢見させてよ、という持田に達海は仕方ないなあと頭を掻いた。
「あのさ、モッチー。そんなのかけなくても猫プレイがしたいならそう言ってよ」
「え、達海さんそういうのオッケーな人なんスか」
がばっと身を起こした持田の目は期待に輝いている。
「別にしたいならしてあげてもいいよ」
ただし、と達海は指の先でついっと持田の顎を持ち上げた。
「あとでモッチーが同じこと、してくれるなら、ね」
「ぐっ…」
持田は言葉を詰まらせて達海を恨めしげに見上げた。
達海にはして欲しいけど自分ではしたくない。だって燃えないし、萌えない。
それを見越しての達海の言葉に、結局はしたくないって事じゃん、と持田は唇を尖らせた。



***
オノマトペ18その後。





認めるために
(深作×達海/ジャイアントキリング)

達海がETUの監督として帰国したと知ったのは、サッカー雑誌からだった。
コンビニで呆然と立ちすくみ、深作はそれを買って急いで帰路に着いた。
ページを彩る写真、その中の数枚に達海は映っていた。
相変わらず間の抜けたぼんやりした顔と人を食ったような挑戦的な笑み。
それらが本当に達海が帰ってきたのだと深作に教えていた。
思わず携帯電話を手に取り、はっとしてボタンから親指を放す。
かつてのETUの仲間とはもう随分と長い間連絡を取っていなかった。
集まるとどうしても達海の話になってしまい、それが嫌で深作から距離を置いていたのだ。
使わなくなって久しい昔の仲間のアドレスを見下ろしながら深作は思う。
あの時のETUは余りにも不健全だった。
達海というたった一人の輝きに頼りきりで、サッカー本来の姿を見失っていた。
あの頃は分からなかったが、今なら何故達海が出て行ったのかわかる気がするのだ。
あれは達海なりのメスの入れ方だったのかもしれない。
自分という腫瘍を取り除いて健全化させるための、彼なりの治療法。
でなければ達海が深作に黙ってあんなことするとは思えなかったのだ。
そこまで思って深作は苦笑する。
深作を好きだと言う達海をいつも冷たくあしらってきたくせに、こういう時だけそれを頼りにしている。
信じていなかったわけではない。ただ、認めるのが怖かった。
怖がって、見ないふりをして。そうしている内に達海は去ってしまった。
あの時ほど後悔したことは無い。
もし達海の気持ちに向かい合っていたら。
そうすれば、たとえ達海がどちらにしても渡英してしまっても、もう少し違った展開があったのではないだろうか。
本当に自分はバカだ。結局お前を忘れられなくて、十年が過ぎてしまった。
なあ、達海。深作は紙面上の達海の頬を指先で撫でる。
今からでも、間に合うか?
深作は携帯電話をポケットに押し込み、車のキィを片手に部屋を出た。



***
そして雰囲気「春夏秋冬」01に続く。





胸焼けなんてしないさ
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

※羽田の職業がパティシエです。それを踏まえてどうぞ。


やる、と渡されたケーキボックスに達海は目を丸くした。
「ケーキ?」
テーブルの上において開いてみると、やはり中身はケーキだった。
色とりどりのケーキが三つほど、小さな箱の中に納まっている。
ケーキの外箱に書いてある店名は達海の知らない名前だ。
住所を見ると、ここから二駅ほど行った所だ。
「買いに行ってくれたの」
そう聞くと、そういうわけじゃない、と羽田は視線を逸らして答えた。
「…知り合いが、働いているからな」
質問の答えになっていなかったが、達海はそれでも納得したようにそう、と頷いた。
「これ、食べていいの」
「そのために持ってきたんだろうが」
「羽田はいらないの」
「俺はいい」
そう、とまた達海は頷いてじっと箱の中を見ている。
その目はきらきらと輝いていて、選ぶ姿は真剣そのものだ。
「じゃあ、これから食べる」
達海は三角に切り分けられたアップルパイを取り出し、そのままかぶりついた。
「フォークは無いのかよ」
「ひゅーとーしぅまえといにいぅのえんどぅあい」
むぐむぐと食べながら言う達海の言葉を脳裏で反芻する。
つまり、「給湯室まで取りに行くのが面倒くさい」という事らしい。
今度からはフォークも持参するか、と思っていると達海はあっという間にアップルパイを平らげてしまった。
「うまいな、これ」
口の周りについたパイの屑を舐め取りながら達海は嬉しそうに笑う。
「カスタードクリームが多すぎないし、シナモンが効いてるの、俺好き」
「…そうか」
クリームがついてる、と唇の端を拭ってやると達海はその指をぱくりと咥えた。
「なっ…」
ちゅく、と音を立てて親指を舐められ、羽田が硬直しているとその指から唇を離した達海がにっと笑った。
「勿体無い」
「…ちっ」
余り煽るんじゃねえよ。
羽田はそう思いながら達海に顔を寄せた。



***
この時点ではまだ達海は羽田の職業を知りません。





面倒な男
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

コンビニでドクペを買って帰ってくると、後藤に抱きしめられた。
「何なの、どうした後藤」
コンビニの袋をガサガサさせながら後藤の背に腕を廻すと、よかった、と後藤は小さく呟いた。
「お前が無事に帰ってきてくれて、良かった」
なにそれ、と達海は思わず吹き出す。
「ちょっとそこのコンビニ行っただけじゃん」
「だけど、もし何かあったらと思うと、ついていけば良かったって」
ばーか、と達海は身体を離して後藤の額をぴんと弾く。
「いたっ」
「痛くしたんだよ」
本当に、もう。達海は苦笑して言う。
「面倒な男だな、お前は」



***
ラブラブ「帰りを待つ」その後。





もっと汚して
(杉江×達海/ジャイアントキリング)

「ん、ぅ…」
杉江のそそり立つ熱を喉の奥まで迎え入れながら、達海はその下の二つの膨らみをゆるゆると揉んだ。
「ふ、ぅん…」
じゅぷじゅぷと音を立てながら自身を咥え込む達海の柔らかな髪に杉江は指を絡ませて楽しむ。
「達海さん、もっと奥、締めて下さい」
「んっ…」
「そう…イイですよ…」
言われるがままに喉の奥を締め付ける達海に杉江は満足げな声を漏らす。
「本当に好きなんですね、フェラ」
杉江の言葉にぬろりと杉江自身を吐き出した達海が喉を鳴らした。
「ん…らいすき…すぎの、おっひふて、すき…」
幹を横から舐め上げながら達海が言う。
「いやらしいですね」
「ん…やらしぃおれは、きらい?」
はふ、と含んでいた二つの膨らみを口から零すその姿に杉江の喉が鳴った。
「…好きですよ、達海さん…」
顔にかけてもいいですか、と問えばちゅうっと先端を吸われて杉江は短い呻き声を上げた。
「いいよ、かけて」
スギのしろいので、汚して。



***
またフェラネタか自分!!!

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