あいうえお題

ただ触れていたい
(持田×達海/ジャイアントキリング)

「達海さんって体毛薄いよね」
達海の腕を取ってまじまじと見ていた持田が唐突に言い出した。
「そう?比べた事無いからわかんないや」
「薄いよ。だってほら、」
「ちょっ」
ぐいっとスウェットパンツを引っぱられて達海が焦った声を上げるが、持田は知った事じゃないとばかりに引き下げる。
下着ごと膝まで一気にずり下ろされて寒さにぴくりと内腿が震えた。
「ほーら薄い」
薄いと言う持田の視線は達海の下生えに注がれており、気恥ずかしさから達海はスウェットを引き上げようとする。
しかし持田はそれを許さない。
ぺいっと達海の手を振り払うとそっとその薄い下生えに手を滑らせた。
「ほら、色も薄いし量も少ないし長さだってそんなに無い」
さりり、さりりと慈しむように撫でられて、達海は「ん」と思わず喉を鳴らしてしまう。
「…なに、達海さん」
「…なんでもない」
にやっと唇を歪めて笑う持田から達海はぷいっと顔を背けた。
「…何かして欲しい?」
「別に」
さり、と下生えを弄っていた指先が、その下に息づく達海自身の根元をなぞる。
「…っ…」
「…ねえ、言ってよ」
すべすべとした肌を指先で楽しみながら言うと、達海は拗ねたように唇を尖らせて言った。
「…俺を、苛めるの?」
ちらりと向けられた視線に思わず喉が鳴る。
乾いた唇をちろりと舐め、持田はその頬に唇を寄せた。
「苛めさせて」



***
ついったで爆発したネタを書いてみた。タッツを苛めていいのは持田だけだと思うんだ。





チョコレートロマンス
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

※羽田がパティシエ設定です。


「あれ」
達海は小首を傾げながら羽田の首元に顔を埋めた。
「な、なんだよ」
「んー」
くんくんと犬のように鼻を鳴らして首筋から胸元まで匂いをかいだ達海はやっぱり、と羽田を見上げた。
「羽田からチョコの匂いがする」
「…気のせいじゃないのか」
しかし達海はううん、と首を振る。
「気のせいじゃないよ。わかんない?」
「…電車ン中で香水が移ったのかもな」
「ふうん?」
そんな匂いの香水あるんだなーなどと暢気に納得している姿に羽田は内心でほっとする。
自分の職業を隠す必要は無いのだが、どこか言いづらくて未だに言えずにいた。
ガラでもないという評価はもう聞き慣れている。だから平気なはずなのだが。
「羽田、舐めていい?」
「何でそうなる」
「いい匂いだから舐めたら美味しいかなって」
「ふざけんな。てめえが食うのはこっちだろ」
もう少しだけ、何となく。
「あ、そうだった。ケーキも食べなきゃ」
「ケーキもってなんだよ、もって」
欲目なしに美味しいと笑ってくれるこの人を、見ていたい。



***
ついったで爆発した!くんくんする達海に萌える!





突き刺さる胸の痛みを
(村越&??/ジャイアントキリング)

※前中後その後です。


しまった。向こうからやってくる美幸と後藤の姿を認めた途端、村越はそう思った。
咄嗟に踵を返したい思いを堪えて歩くと、こちらに気付いた美幸が後藤と繋いでいた手を離してこちらに駆けて来た。
「お疲れさまです」
まずは後藤に軽く会釈をすると、彼はお疲れ様、と微笑った。
「おつかれさまぁ」
「ああ、ありがとう」
美幸は何が気に入ったのか、村越を見つけては寄って来る。
はじめは返答を全て「ああ」で済ませていたら「ああじゃダメ!」と自分が納得できる言葉が出てくるまで村越を放さなかった。
それに懲りてからは何か一言付け加えるようにしているのだが。
「…?」
美幸の何か期待を抱いて見上げてくる視線に後藤を見るが、彼は苦笑して済ませてしまった。
仕方無しにもう一度美幸を見下ろして気付く。
「…それは幼稚園の制服か?」
真新しい制服に身を包んだ美幸はそう!と嬉しそうにその場でくるりと一回転した。
「みゆき、かわいい?」
「ああ、可愛い。リボンが似合ってるぞ」
すると美幸は得意げに笑って臙脂色のリボンに触れた。
「見せてくれてありがとう。ほら、後藤さんが待ってるぞ」
「うん、バイバイ」
可愛らしく手を振って、後藤と再び手を繋いだ美幸と擦れ違う。
一瞬、後藤と目があった。
酷く優しい眼をしていて、村越は足早にその場を立ち去った。
あの人は血の繋がらない子を自分の子として育てている。
本当の父親である村越がすぐ傍にいるこの環境で。
それはとても複雑な気持ちであるだろうに、彼はおくびにも出さない。
もしかしたら、そんな感情はもう越えてしまったのかもしれない。
あの子に美幸と名づけたのはあの人なのだ。
村越の幸の字を生まれてきた子につけたあの人の心情は計り知れないほど深い。
それになんて愛おしそうにあの子を見るのだろうか。
あれは全てを受け入れている目だ。
俺にはきっと出来ない。
「…ちっ…」
村越はやりきれない思いに舌打ちした。



***
悶々してる村越似萌えるわぁ…wwwネタ提供ありがとうございました!




ティータイムをご一緒に
(ETU&女達海/ジャイアントキリング)

※前中後その後です。


練習が終わり各々が帰っていく中、グラウンドでぼんやりとしている達海を見つけた。
「監督、どうしたんスかね…」
ぼんやりとしている達海の後姿に椿が心配そうな声を上げると、傍らの丹波が「後藤さん今日出張で帰らないからじゃねえの」と返した。
「みゆちゃんのお迎えにもまだ早いしな」
「…なんか、寂しそうっすね」
石神の言葉に椿がどこかしょんぼりして言う。
「お前が落ち込んでどうすんだよ椿」
堀田の言葉に皆が笑うと、椿は小さくなって「す、すみません…」と謝った。
すると達海がこちらに気付いて振り返った。
「よう。お前ら、これから暇?」
「へ?」
「暇っちゃ暇ですけど」
「じゃあさ、お茶してかねえ?」
お茶?全員の頭上にハテナマークが飛ぶ。
「こっちこっち」
しかし達海はお構いなしに四人を手招いて中へと入っていった。
そしてやってきたのは食堂の傍らにある職員専用休憩室。
達海は勝手しったる態度で鍵を開け、中に入っていく。
「さっ、入れよ」
「…監督、どうしたんすか、この部屋」
簡素だったはずのテーブルには濃緑のテーブルクロスが敷かれ、棚には中身を隠すために繊細なレースのカーテンが張られている。
椅子もパイプ椅子ではなく英国風のチェアが並んでいる。小物だって可愛らしいアンティーク人形が置かれていたりする。
「ん、何か有里が勝手に改装した」
サイトに載せるからってさ。
その言葉に丹波が慌ててケータイを取り出してETU公式サイトにアクセスする。
一番下までスクロールした所で小さく「達海監督の秘密の小部屋」と書かれているリンクを発見してそこへ飛ぶと。
「…何すかこれ」
出てきたのは達海が美味しそうにケーキを食べている画像。
他にも紅茶を飲んでいる姿や部屋に飾られている人形を手に写っている姿もある。
「何かね、ファンからの贈り物に対するお礼だって有里が言ってた」
棚から取り出したガラス製の大きなティーポットにキャディスプーンでさくさくと葉を掬って放り込んでいく。
「あ、アールグレイだけど飲める?」
「はあ。紅茶なら何でも」
アールグレイと言われてもさっぱり分からない一同はとりあえず頷いておく。
「今日の貰いもんはガトーショコラだけど、お前ら食べれる?」
「あ、いや、俺らは…」
自分ンとこの選手に甘味を勧めるな、と思うが達海はそれもそうだよな、とけらけらと笑った。
「じゃあ俺一人でたーべよっと」
嬉しそうに冷蔵庫から白い箱を取り出す達海に、それにしたってと堀田が問いかけた。
「貰い物って、それもファンから貰ったんですか?」
「ん?これ?これはサックラーから」
サックラーって誰。
一瞬全員がそう思ったが、そう言えば達海がそう呼ぶ人物が一人だけいた。
「サックラーって、あの、山形の?」
「そう」
あ、おばちゃん、お湯沸いてる?
達海は扉を開けて隣の食堂に向かえって声を上げる。
するとはいよーという声がして達海がやかんを片手に戻ってきた。
「何で佐倉監督が達海さんにケーキを送ってくるんですか?」
「さあ…お歳暮?」
高い位置からお湯を注ぎながら達海はどうでもよさそうに言う。
「お歳暮には早いです」
「あ、手紙入ってる」
「監督、これ読んでも良いッスか」
「あーいいよー」
「ええと、なになに?」

麗しのタッツミー様
(前略)
遠征先で美味しそうなスイーツを見つけました。
スイーツ大好きなあなたに一口食べていただきたく送ります。
また会える日を夢見て。
あなたのサックラーより。

「「「「……」」」」
まさか、と一同は室内を見渡す。
人形だったりぬいぐるみだったりと統一感の無いこの小物達は。
「もしかしてこの部屋にあるものって全部監督へのプレゼント、ですか?」
「んー?んー」
ガトーショコラを切り分けながら砂時計が落ちきるのを待ちわびている達海はすっかり生返事だ。
耐熱ガラスの中で上下する葉を楽しそうに眺めている姿はこの部屋の主そのもので。
「監督、いつもお茶とか自分でいれるんですか」
椿の問いに、達海は「紅茶はね」と微笑った。
「なんかさ、男の時と女の時では味覚が微妙に変わるみたいでさ。女の時はケーキは紅茶で食べたくなるの」
男の時は紅茶飲みたいとか思わないんだけどねー。ドクペ万歳。
にっこりと笑う達海に思わず目を奪われる。頬が熱い気がするのはきっと気のせいだ。
「あ、ガミさん、これ」
堀田の声に石神ははっとして傍らに視線を向ける。
丹波の携帯でETUサイトを見ていた石神がここ見てください、と画面を指差した。

〜達海監督と楽しい一時を過してみませんか?〜
達海監督と秘密のお茶会開催決定!!
抽選で四名様をご招待!皆様奮ってご応募下さい!!
おみやげ特典アリ!
お問い合わせは広報:永田まで。

「…有里ちゃん、何してんだよ」
「一番売れるのは監督だと踏んだな」
「広報恐るべし」
「…ッス」
でもやばくないか、これ。紅茶を注ぐ達海を尻目に丹波がこそこそと言う。
「こんな密室でフェロモンだしまくりのこの人相手に最後まで正気を保てると思うか?」
「……」
「無理だと思うに一万点」
「俺、当日警備に廻ろうかな…」
「ッス」
「おーい何ひそひそやってんの。飲むの、飲まないの?」
ひそひそと声を交し合う四人に、達海の暢気な声が響いた。



***
達海はカップを暖める事はしないと思う。面倒だから。ネタ提供ありがとうございました!





ところでさ
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

※羽田の職業がパティシエ設定です。


「ところで、お前の職業って何?」
エクレアをもふもふ食べながらの質問に、とうとう来たかと羽田は視線を逸らした。
「アウェーにも毎回来れるって事はプーじゃないよね」
最初土木かと思ったんだけど、お前の手、男のわりに綺麗だし。
それにたまに繊細な動き、するよね。と見つめてくる視線に、そこまで観察されていたのかと思う。
「だからってその髪でサラリーマンって事はないだろ」
で、何?
興味で目を輝かせながら聞いてくる男に、羽田は覚悟を決めてそれを口にした。
「…パティシエ」
「…ん?何?」
「だから、パティシエ」
笑いたきゃ笑えよ。そう思って沈黙を保っていると、達海は半分をほど食べたエクレアを見た。
その顔はきょとんとしていたが、笑うでもなくじっとエクレアと羽田を見比べている。
「てことは、これってお前が作ったの」
「…そうだよ」
何か文句あるか、と語気を強めて見返すと、達海はきょとんとしたままの表情で言った。
「すごいな、お前」
「は?」
「イングランドにいた時、チームに奥さんがパティシエやってるってやつ居たよ。すげえ大変だって言ってた」
ていうかお前どうやって休み取ってんの。達海が不思議そうに聞いてくる。
「パティシエって日曜日とかも忙しいんじゃないの」
「知り合いの店だからな。他の条件飲む代わりに試合の日は休み貰ってる」
ふうん、と達海はまたエクレアをもふりと食べる。
「だからたまに手に火傷作ってんのな」
「…そんな所まで見てたのかよ」
そりゃそうさ。エクレアを食べ終えた達海が言う。
「俺、お前の手、好きだもん」
だからあんま、火傷作んなよ。そう笑う達海に、羽田は何故だか負けた、と思った。



***
土方って差別用語だったんですね。初めて知りました。普通に使ってたよドカタ。

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