あいうえお題

ライナスの毛布
(佐倉×達海/ジャイアントキリング)


狭い室内にぐちゅぐちゅと卑猥な音が満ちる。
「達海さん、達海さんっ……」
佐倉はその音に煽られ、腰の動きを止める事が出来なかった。
「あ、あっ、サックラ、あっ」
抱きしめて、と切れ切れの声で強請る達海の身体を佐倉は言われるがままに抱きしめる。
手加減が出来なくて思い切り抱きしめてしまったが、達海にはそれが良かったらしくキモチイイ、と甘い声を漏らした。
「もっと、もっと激しくして、きつく抱きしめて……!」
「達海さん、あ、あっ、もう、もうイキます……!」
「あ、ん、んっ、ああっ」
極まった達海自身から勢いよく白濁とした密が溢れてその腹を汚す。
「っ……!」
佐倉もまた達海の中に精を吐き出すと、達海の中はひくひくと何度も収縮を繰り返した。
「あ、ん……」
とろんとした目で見上げてくる達海にキスを落としてその舌を絡め取る。
「ん、ふ……」
その唇に溺れながら佐倉はこんなことではいけない、と思う。
もっと違う形で達海を知りたいと思うのに、最近では会えばすぐにこんなことになっている。
だけど。
「サックラー、ねえ……もう一回、しようぜ」
「し、しかし……」
その誘惑に、逆らえない。
きゅ、と締め付けられる感触に下肢が反応する。
「ほら、こっちはその気だぜ?」
バカ正直に反応してしまう身体に恥じ入りながら、それでも佐倉は達海の誘いを断れなかった。



***
「冤罪」続編みたいな。





理由なんてない、本能だ
(??&達海/ジャイアントキリング)

※前中後のその後


「お母さん」
リビングで試合を見ていると生海がやってきて隣に座った。
「うーん?」
試合を見ながら生返事をすると、ううん、なんでもない、と首を振って生海はこてんと達海の肩に頭を乗せた。
そのまま暫く二人で試合を眺めているとまたお母さん、と呼ばれた。
「なに」
「あのさ、その……やっぱりなんでもない」
煮え切らない息子の態度に漸く達海が傍らを見た。
「なんなのよ」
「なんでもない」
「ほほう」
ぷいっとそっぽを向いてしまった生海の背後に手を回し、達海はその脇を擽った。
「うわあ!」
「白状しやがれ〜!」
「あはは、あはっ、言う、言うから、あははははっ」
あのね、お姉ちゃんにも内緒にしてくれる?
するする。
ヒソヒソと声を潜めて達海は楽しげに頷いた。
「今日ね、友達とせーので好きな子の名前を言い合ったんだ。そうしたら生海はお子ちゃまだって」
「なんで」
「あのね、僕、お母さんって言ったの」
あーと達海はぽりぽり頭を掻いた。そりゃお子ちゃまだわ。
「でも僕、クラスの女の子より絶対、お母さんの方が可愛いと思うんだ」
「絶対、ねえ」
「うん、絶対」
これは譲れない、と息巻く息子に俺基本的に男なんだけど、と言えばそんなの関係ないよ、と返されてしまう。
「僕、お母さんがお母さんなら男でも女でもどっちでもいいんだ」
自信満々に言い切る生海にこりゃダメだ、と達海は溜息をついた。
「お前、間違いなく恒生の息子だよ」



***
それでも嬉しいから問題だ。母親談。ネタ提供ありがとうございました!





ル・レーブの憂鬱
(??&達海/ジャイアントキリング)

※前中後その後


彼女が出来た、と生海が報告してきたのは彼が二十三歳を迎えたその日だった。
「栄養士仲間で同い年の子」
「よかったな」
達海が心からそう言うと、生海はとんでもない事を言った。
「マザコンでも構わないんだってさ」
達海は思わず口に含んでいた水を噴き出す所だった。
「お前ね」
「だって本当の事だし。後から揉めるのも嫌だったから」
「彼女、母さんの事知ってたよ。テレビで見たって言ってた」
カッコイイお母さんだね、だって。とまるで自分の事のようにうれしそうに笑う生海に、達海は照れくさそうに頬を掻いた。
「もういい年の爺婆だぜ、俺」
「幾つになっても母さんは綺麗だよ」
ばーか。達海は骨ばった指で生海の額を突いた。
「そういうのは彼女に言ってやんな」
皺の多くなった手に頬を撫でられ、生海は幸せそうに目を閉じた。



***
猛人と違って生海はきっと最期までマザコンを貫いたと思うのでこうなったwww





冷静なればこそ
(??&達海/ジャイアントキリング)

※前中後その後


「ねえお母さん、今日ね、友達にえっちな本見せてもらったんだ」
突然の息子の告白に達海は「はあ」と間の抜けた声を漏らした。
「小学生の癖にお盛んだね。で、それがどうしたって?」
先ほどから生海の表情は興奮するでもなくただ難しい。
「うん、乳首がね、お母さんと違うの」
「は?違う?」
確かに達海は一般的な人とは違った体質だが乳首まで違っていた記憶は無い。
何が、と問えば色が、と返された。
「色?」
「だってお母さんの乳首はピンクなのに写真のおねーさんの乳首は茶色だったんだ」
ちょっと見せて、と襟首を引っ張られて達海は踏鞴を踏む。
今は男性体なので女性下着はつけていない。なのでシャツ一枚下は素肌が覗いている。
生海はその胸元を確認するとぱっとシャツを離してほらやっぱり!と声を上げた。
「乳首ってピンクだよね、お母さん!」
満面の笑みを浮かべる生海に達海はがくりと肩を落とした。
「あれ、どうしたの?お母さん」
「……いや……色の濃さは人それぞれだから茶色でもいいんだぜ……?」
何で俺、こんなこと言ってんだろう。達海はおかしい、と手で顔を覆った。
俺、子育て間違えたかも。
いやいや、こいつは基本的に素直で優しいし、いい子だし、いい子だけど…あっれー?
「でも僕はお母さんの乳首が一番好きだよ!」
やっぱり何か間違えたかもしれない。
自信満々に宣言する息子を尻目に達海は大きな溜息を吐いた。



***
たまに道端とかに捨ててあるとびっくりする。ネタ提供ありがとうございました!





露悪的な愛し方をしよう
(持田×達海/ジャイアントキリング)

※「好きを免罪符にして」続編です。


「お前ね、少しくらいファンサービスしてやったらどうなの」
「なんで?」
今では勝手知ったるETUクラブハウスの廊下を歩きながら持田は傍らの達海を見る。
「俺がもうフットボーラーじゃない事は事実だし。一般人よ、俺」
一般人はファンサービスなんてしませーん。語尾を延ばして言う持田に達海は仕方ないなあと肩を竦めた。
「俺、お前のファンに恨まれてそうだな」
「何でよ」
「お前を独り占めしてる」
すると持田はははっと笑って腕の中の赤子を抱きなおした。
「じゃあ俺は達海さんのファンに恨まれてるや」
少なくとも、ETUの奴らには恨まれてるね。
「刺されないよう気をつけろよ。うちのヤツラは血気盛んなやつらばっかだからな」
冗談めかして言う達海に、おおこわ、と持田は笑った。



***
露悪というよりただのノロケになってしまった罠。

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