あいうえお題
マジで着ました (堀×達海/ジャイアントキリング) 本当にミニスカサンタの衣装を身にまとった達海は、やっぱり俺だとちょっとデカイな、と笑った。 「似合う?」 「微妙です」 正直に答えると、だよなーと達海はげらげらと笑った。 でもさ、と堀の脚を跨いで腿の上に座る。 「たまにはよくねえ?」 ズボン越しに感じる達海の体温に堀はさっと頬に朱を上らせる。 「……別に」 見えそうで見えない下肢にそわそわと視線を彷徨わせながら言うと、達海の顔が近付いてきて堀の唇を食んだ。 ふる、と下唇を揺らすように離れたそれを惜しく思いながら見つめると、もっとして欲しい?と目の前の唇が囁いた。 「……欲しいです」 下さい、と腰を引き寄せて口付けると、ん、と達海が喉を鳴らしてそれを受け止める。 するりとスカートの裾に沿うようにしてその腿を撫でると、もそりと達海が身を捩った。 「……っは……堀のえっちー」 「最初からそのつもりでしょう」 うん、と達海が頷いてスカートの裾をちらりと持ち上げる。 灰色のボクサーパンツの下で明らかに形を変え始めているそれが見て取れて、堀はごくりと喉を鳴らした。 「早く、触って?」 誘われるがままに堀はスカートの中へと手を潜り込ませた。 *** あとはご想像に以下略!(爆) ミの付く人の憂鬱 (三雲×達海/ジャイアントキリング) 「昨日も持田さんの家に行ったそうですね」 自慢されました、とげんなりして言う三雲に、うん、行ったと達海はあっさりと認める。 「モッチーの家のテレビ大きくて好きなんだよね」 「……テレビだけですか?」 穿ったもの言いに、達海はきょとんとして三雲を覗き込むようにして見た。 「どったの」 落ち込んでる?と問えば、少しだけ、と応えが返ってきてなんで?ともう一度問う。 「……キスしたって」 「は?」 「持田さんが、達海さんにキスしたって」 「なにそれ」 「……違うんですか?」 疑いの眼差しで見てくる三雲に、アレの事かな?と達海は首を傾げる。 「モッチーがあんまり煩いから手の甲にならってことでキスさせてあげたの」 ダメだった?と先程とは反対側に首を傾げた達海に、ダメって言うか、と三雲は言葉を濁した。 「三雲?」 「……俺が、嫌です」 すると達海は途端に嬉しそうな顔になり、三雲の身体にぺたりと寄り添った。 「それって、嫉妬してるの」 「……してます」 達海はにひーと笑うと、じゃあもうしない。約束。と三雲に向かって小指を差し出した。 *** 「ふたりきり」その後。持田は嘘は言って無いww 難しいことなんて何も無い (羽田×達海/ジャイアントキリング) ※羽田の職業がパティシエです。 クリスマスの夜、羽田は小さなケーキ箱を手にやってきた。 「ほらよ」 「さんきゅ」 仕方なく作ってきてやったんだ、という態度の男からそれを受け取った達海はにこにこ顔だ。 「洋酒多め?」 「味が壊れない程度にな」 わくわくとしながら箱を開け、現れた小さめのブッシュ・ド・ノエルに達海はおーと声を上げる。 「食べていい?」 「そのために作ってきたんだろが」 「うん、じゃあ食べる」 箱の中に備え付けてあったプラスチックのフォークを取り出して達海はそのケーキへと突き刺した。 少し大きめに切り取られたそれをぱくりと口に含み、もぐもぐと咀嚼する。 「んまい!」 脚をバタつかせてもだもだする達海に大人しく食え、と言って羽田も漸く隣に座る。 「お前も食う?」 「一口寄越せ」 ん、と差し出されたフォークに乗ったケーキをばくりと食いつく。 思い通りに出来上がっているのを確認して、羽田はまあまあの出来だな、と頷いた。 「イングランド暮らしの長いあんたの事だから、プティング作れって言うかと思ってた」 「俺あれ好きじゃねえもん」 フォークをがじがじ齧る姿にプラスチックだから割れるぞ、とそれを奪う。 「あ、こら、返せ」 まだ食べてる途中、と伸ばされる手を引いて、倒れこんできた身体を受け止める。 「……羽田の体、冷てえよ」 「寒かったからな」 「暖めて欲しい?」 「……ああ」 じゃあ暖めてやるね、とキスをされたので羽田は達海の口内に舌をさし入れた。 達海の口内は、キルシュの味がした。 *** クリスマスが終わってから思いつくとかね。 目覚めの時 (成田×女達海/ジャイアントキリング) ※「だって独りは寂しい」続編です。 足が壊れて暫く、達海はリチャードの世話になった。 達海は最初それを辞したが、しかしリチャードも諦めなかった。 彼にも彼なりの意地があった様で、結果、達海が折れる形になった。 リチャードとの暮らしは悪くなかった。 少しかっこつけの所もあったが、基本的にリチャードは良いヤツだった。 けれどそんな暮らしの中でも達海の中に開いた穴を埋めることは容易ではなかった。 心に空洞を抱えたまま、達海は毎日をただ生きていた。 そしてイングランドに来て初めての冬。 達海は驚くべき人物と再会する事になる。 それが成田だった。 成田は、短いオフを利用してわざわざ達海に会いに来たのだった。 脚の調子は、と気まずげに聞く成田に、達海は困ったような笑みを浮かべてリハビリ中、とだけ答えた。 長い沈黙の後、成田は達海を抱きしめていた。 そうして、囁いたのだった。 逢いたかった、と。 *** 続編というか、そこに至るまでの話、のような。 もっと愛して (成田×女達海/ジャイアントキリング) ※「だって独りは寂しい」続編です。 元々成田と肉体関係を持っていた達海は、早々に自分の体質の事をばらしていた。 それが良かったのか悪かったのか、成田の達海への執着は並々ならぬものへと育っていて。 まさか異国まで追いかけてくるほどとは、と達海は内心で苦笑した。 けれど。達海は成田の唇を受け止めながら思う。 そんなに想われて、悪い気はしなかった。 だから、魔が差したのだ。 「女の俺を抱いてみたいと思わない?」 「お前、女の時は嫌だって言ってたじゃないか」 訝しむ成田に、達海は気が変わったの、と擦り寄る。 「ねえ、成さん。今なら俺、処女だよ。しかも妊娠とかしないから中出ししほーだい」 お買い得だと思うけどなあ、とキスをすれば、今なら、ってどういう事だ、と成田の眼差しが険を帯びる。 「成さんが奪ってくれないなら、リチャードに捧げちゃおうかな」 「駄目だ」 速攻で止められ、達海はにひっと笑う。 「じゃあ成さんが奪ってよ」 そんで、溢れるくらいナカに出して。 成さんの形を俺の身体に刻み付けて。 耳元で囁けば、成田は達海の身体をベッドに押し倒した。 「忘れられないようにしてやる」 そうして成田は帰国するその日まで達海を抱き続け、去っていった。 こども、できてるといいのに。 そうすればこの空洞も、きっと埋まる。 去っていく成田の背を見送りながら、達海はそう内心で微笑った。 *** そして狙い通りデキました。ということです。 |