雰囲気的な10の御題:結

06.目を閉じて
(椿×達海/ジャイアントキリング)

「達海さん、キスして良いですか?」
「んあ?良いけど」
「……」
「……」
「…あの、目、閉じてもらって良いですか」
「…どーぞ」
「……」
「……」
「…〜〜っ」
…ちゅっ
「……これだけ?」
「ええっ!駄目ですか?!」
「駄目っていうか…お前ほんと奥手だな」
「すみません…」



***
ちゅっちゅする(させる)のが精一杯orz





07.予想外
(黒田×達海/ジャイアントキリング)

「はあ?」
珍しく達海に呼び出された黒田は、訪れた彼の部屋で我が耳を疑った。
「だから、お前とスギって付き合ってんの?」
「……はあ?」
二度聞いてもやはり理解が出来ない。
「監督」
「うん」
「俺もスギも男なんスけど」
ていうかそんな事を聞くために呼び出したのだろうかこの男はもしかして。
「それを踏まえた上で聞いてんの。で、違うの?」
「違うに決まってんだろ」
バカかてめえ。の一言はギリギリ飲み込んだ。
仮にも監督だ。
いくらアホな質問をしてきたとしても監督であることに変わりは無い。
するとその監督様はそうかそうかと一人で何故かご満悦気味だ。
「…用がないんなら帰らせてもらうぜ」
馬鹿馬鹿しい、と踵を返そうとした腕を取られ、引っ張られた。
「黒田」
「なん…?!」
何なんだ、という言葉は押し当てられた柔らかなモノによって塞がれてしまう。
ちゅ、と音を立ててそれが離れていくと、間近にあった達海の顔も離れていった。
「じゃあ、宣戦布告」
にっと笑う達海と硬直したままの黒田。
思いもよらぬ出来事に黒田の脳内はパニックを起こしていた。
何が、とか、何の、とかが頭の中をぐるぐると巡るばかりで空回りする。
「黒田ー生きてるかー?」
黒田が再起動するまで、未だ暫く時間がかかりそうだった。



***
初クロタツ!いやタツクロかこれは。orz





08.ありがとうの代わり
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

ずいっと差し出されたのは、よく知ったコンビニの袋で。
やる、と言われて受け取ってみればそれはドクター・ペッパーとパピコ。
「どうしたの、これ」
達海が問えば羽田は「買ったんだよ」と決まり悪げに告げた。
「いやそりゃわかるけど、なんで」
いつもはこんな気を使ったりしない羽田が何故。
「…ちっ」
すると羽田は盛大な舌打ちをしてそっぽを向いて言った。
「お前、今日誕生日だろ」
達海は言われて初めて今日がその日であると気付いたらしく、あ、と声を上げた。
「そういやそうだった。でも俺、教えたっけ?」
「何だっていいだろっ」
いらないなら返せ、と手を伸ばすとヤダ、と逃げられる。
「もうこれ俺の」
そして達海は逃げた分以上にもう一度近付くと、羽田の唇に自らのそれを重ねた。
「っ」
驚いて頭を反らすと、ちろりと自らの唇を舐める達海と目が合う。
「お礼」
「てめえ…」
艶やかに笑う姿に吸い寄せられるように羽田は今度は自ら唇を寄せた。
「もっと寄越せ」
「喜んで」



***
誕生日はきっと昔の選手名鑑引っ張り出してきて見てるうちに覚えちゃったのかと。





09.またいつか
(成田×達海/ジャイアントキリング)

突然呼び出した成田の用件を、達海は分かっているようだった。
「…なに?成さん」
それでもそう問いかけてくる達海に、成田は搾り出すように言う。
「代表召集、辞退したんだってな」
「耳早いね」
いつもの飄々とした笑顔の一方で成田は険しい表情のままだ。
「…そんなに酷いのか」
「……」
達海は曖昧な笑みを浮かべるばかりで答えない。
達海、と言葉を続けようとした成田を達海の声が遮る。
「まだ終わんないよ、俺は」
だからそこにいてよ、成さんは。
達海は穏やかに微笑う。
いっそ切ないくらいのその笑顔に成田の胸は締め付けられた。
「俺がまた戻った時、成さんがいなきゃ楽しくないもん」
堪らなくなって抱きしめると、達海は「痛いよ成さん」と言いながらもその腕を背中に回した。
「必ず帰って来い、達海」
「…当たり前だろ」
そう呟く達海の声は、酷く甘かった。
まるで成田を慰めるようなその声音に、成田は達海を抱く力を強めた。



***
初ナリタツが暗いよ!!orz





10.一緒に
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

達海は現在の自分にそれほど体力があるわけではないと自認している。
そのため、セックスも終わってしまえばもう動きたくなくなる。
しかし体は汗やら何やらでべたべただ。気持ちが悪い。
そんな達海の体を清めてくれるのが、先ほどまで達海を抱いていた相手、後藤だ。
後藤はくてんくてんになった達海の体を固く絞ったタオルで拭き清め、服を着させてくれる。
シーツだって達海を右へ左へやりながら手際よく新しいものに取り替えてくれる。
たまに俺は要介護老人か、と思うことがあるが、その至れり尽くせりに感謝していないわけではない。
そんな後藤に、偶にはこちらから何かしてやろうという気になった。
「なあ、後藤」
ソファで並んでテレビを見ながら呼ぶと、「何だ、達海」と思ったとおりの声が真横からする。
「俺が洗ってやるから、一緒に風呂入ろうか」
すると数秒の間があって、「どうしたんだ、突然」と訝しむ声がした。
どうもしないけど、と隣を見れば、困惑した表情の後藤がいた。
「たまには俺がサービスしてやろうかと思ったけど」
嫌ならいい。
再びテレビに顔を戻すと、達海、と柔らかな声が耳を擽った。
「本当に?」
「…本当に」
すると肩を抱き寄せられ、嬉しいよ、と耳元で囁かれた。
「お前そういうの、好きじゃないと思ってた」
「…別に、狭いのが好きじゃないだけ」
「今日はいいのか?」
耳元で囁かれる甘い響きに震えながら達海は頷く。
「いい」
「…じゃあ、今から行くか?」
頬に唇の感触を感じながら、達海は小さく頷いた。



***
そのままお風呂えちーになだれ込めば良い。

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