オノマトペ的ないくつかのお題

01 がしゃん/ガシャン
(深作×達海/ジャイアントキリング)

がしゃん、と派手な音を立ててスプーンが皿の上に落ちた。
「は?」
「だから、フカさんが大好きっていう話」
カレーをもごもごと頬張りながら、達海は無駄に可愛らしくそう繰り返した。
「ふざけんな、気色悪い」
馬鹿馬鹿しい、と再びスプーンを取ると達海はスプーンを両手で握り締めて言った。
「酷い、フカさん!こんなに愛してるのに!」
よよよと隣に座る松本に寄りかかれば松本が面白がって乗ってくる。
「酷いな深作ー。受け入れてやれよー」
同じポジだからってそう喧々するなよ、と暢気なものだ。
「こいつが言うと洒落になんねえんだよ!」
「えー成さんとは誤解だって言ったのにぃ」
「信じてもらえないって辛いな、達海」
「えーん哀しいー」
「て、め、え、ら…!」
ひゃほうと手を合わせる二人に、深作は脱力するしかなかった。



***
松本は10番の人。





02 ひらひら/ヒラヒラ
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

夕飯を近くの定食屋で食べ、二人はクラブハウスに戻ってきていた。
いつもならここで別れるのだが、今日は何だが離れがたい。
達海もそう思っているのだろうか、クラブハウスの前で立ち止まった。
「…じゃあな」
達海が手をひらひらと振る。
ああ、と返した後藤も手を振るがお互いその先に進もうとしない。
「「なあ」」
数秒の沈黙の後、二人同時に言葉を発してしまい、思わず吹き出す。
「何だよ…」
「達海から言えよ」
「…後藤んち、行っていい?」
やはり同じ事を考えていたらしい。
後藤は嬉しくなって相好を崩した。
「喜んで」
二人は再び並んで歩き出した。


***
結局バカップル。





03 どかっ/ドカッ
(成田×達海/ジャイアントキリング)

初めて達海を自分のマンションに連れてきた。
「へー、ひっろいねー」
達海はきょろきょろとしながらリビングを歩き回る。
「こら、余りちょろちょろするな」
「へーい」
一通りうろついて気が済んだのだろう、達海はどかっと派手な音を立ててソファに座った。
「成さん、喉渇いたー」
「お前コレ自分で買っておいて忘れてただろ」
成田がテーブルの上に手にしてたコンビニの袋を置くと達海の目が輝く。
「あ、そうそう。ドクペドクペ」
しゅこっと音を立ててプルタブを引くと、達海はそれを美味そうに飲んだ。
「よく飲めるな、そんな甘いもの」
「えー美味いのにー」
そう言って達海は缶をテーブルに置き、成田の方へと身を乗り出した。
「じゃあ成さん、ドクペ味のキスは嫌い?」



***
ドクペは口ン中に味がずっと残るお。





04 ぐにゃ/グニャ
(持田×達海/ジャイアントキリング)

セックスの後の達海さんは面白い。
正確には、達海さんの体が面白い。
完全に脱力仕切っていて、ぐにゃぐにゃだからだ。
何処を持ち上げてみてもくてんくてんしていて、とても折りやすそうだ。
「ちょっとモッチー、何か物騒な事考えてない?」
「えー?ちょっと折り易そうって思っただけですよ」
「やっぱり物騒な事考えてた。俺もう年なんだから労わってよ」
「はいはい、じゃあ行きますよ」
文句を言う達海さんを抱き上げると、うわ、と声が上がった。
「も、モッチー、俺歩ける、歩けるから」
「こんなぐにゃぐにゃで何言ってるんですか」
そのまますたすたとバスルームに向かう。
あ、そうだ。
今日はこの人の体を洗ってあげるのも良いかもしれない。
俺が汚したこの体を、俺の手で綺麗にしてやるのだ。
「あーなんかモッチーがやらしいこと考えてるー」
「ご期待通りやらしいこともします」
「ぎゃーす!俺もう無理だって!」
さて、風呂を出る事にはどうなっているのかな?



***
タッツの体重は凄く軽そうだ。





05 こぽこぽ/コポコポ
(杉江×達海/ジャイアントキリング)

こぽこぽと音を立ててコーヒーが注がれる。
どうぞ、と差し出されたそれを受け取って達海は少しだけ啜ってみた。
「あ、やっぱり美味い」
「どうも」
杉江は自分の分も注ぐとカップを手に達海の隣に座った。
「アンタは苦いの駄目だと思ってました」
「苦手だよー。でも飲めないわけじゃないし」
次はドクペ用意しておいてよ、と言うと自分で買ってきてくださいと返される。
「でもスギの淹れるコーヒーは好きだ。良い香りがする」
「…別にメーカーとかそれほど拘ってないスよ」
「じゃあ答えは簡単だ」
達海はにかっと笑って言った。
「スギが淹れてくれたから美味いんだ」



***
コーヒーが苦いので話は甘さを求めてみましたがどうでしょう。(爆)

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