オノマトペ的ないくつかのお題

06 はらり/ハラリ
(村越×達海/ジャイアントキリング)

「もう秋だねぇ」
はらり、はらりと落ちる木の葉を窓越しに眺めながら達海は言う。
「俺と茂幸クンがこういう関係になってもう三ヶ月か」
なあ村越?と傍らで服を着る男を見上げる。
「月日が流れるのは早いと思わね?」
しかし返って来たのは落ち着いた声で。
「…服を着たらどうだ」
「まあ村越君ってば冷たいわぁ」
ふざけて返せば溜息を吐かれた。
「さっきから何なんだアンタは」
「んー。俺も年取ったなあって話?」



***
十年前の時点では村越は達海の中でナシでした。(爆)





07 びりびり/ビリビリ
(椿×達海/ジャイアントキリング)

今日は調子が良かった。
いつもより体が軽く感じられて、視野も広かった。
だから嬉しくて達海監督を見ると、彼はそれでいい、と言うように笑ってくれた。
嬉しかった。
達海監督が笑ってくれた。
俺に、笑いかけてくれた。
この気持ちが恋だと知ったのはつい最近の事だった。
あの日も調子がよくて、シュートも決めた。
そうしたら練習が終わってからあの人が。
頑張ったな、椿、って言って俺の肩をぽんって叩いた。
そうしたら全身にびりびりとした痺れが走って、びっくりした。
全身が歓喜に震えていたのだ。
嬉しい、嬉しい。達海監督に誉められて嬉しい。
そのときに気付いたんだ。
これは恋なんだって。
だから達海監督に喜んでもらえるようにもっと上手くなりたい。
なんて、ちょっと不純かな。
でも、俺は。
あの人が、好きだ。



***
バッキーはまっすぐなので可愛いですね。





08 にやにや/ニヤニヤ
(後藤×達海/ジャイアントキリング)

達海が何処かで猫耳を入手してきた。
カチューシャにファーで作られた猫耳がついた、よくあるアレだ。
「…達海、勘弁してくれ」
達海に距離を詰められた分、後藤もまたじりじりと下がっていく。
「え、やだ」
にやにやと笑う達海の手には、それが握られている。
「達海…頼むから…」
「絶対似合うって」
「そんなもの似合っても嬉しくない」
「俺は嬉しい」
「嬉しいじゃなくて楽しいの間違いだろ」
「Oh!イングランド暮らしが長くて間違えた!」
「ワザとだろうが!」
諦めろ後藤、と達海がにやつく。
「後で俺もつけてやるから、な?」



***
猫耳プレイ。(何かが違う)





09 ぱさっ/パサッ
(羽田×達海/ジャイアントキリング)

気付けばお互い、夢中になっていた。
「んっ…」
お互いの唇を貪りあいながら、安いパイプベッドの上に横たわる。
ぱさっと音を立てて資料が落ちた。
けれどそれを気にしている余裕など二人には無かった。
「はっ…ぁ」
シャツの上から胸元を弄られれば隠し様の無い甘い声が漏れる。
「羽田…ぁっ」
裾から入ってきた手は冷たくて、達海は身を震わせた。
「…嫌か」
低く掠れたその声に、達海はふるふると首を振って否定した。
「もっと、して」



***
ハタタツに萌える会。





10 ずーん/ズーン
(杉江×黒田×達海/ジャイアントキリング)

ずーんと暗雲を背負って黒田は達海の部屋へと向かっていた。
黒田が暗雲を背負っているには理由がある。
それは数時間前の休憩時間。
親友である杉江と、仮にも恋人であるはずの達海が仲良く手を繋いだりしていたからだ。
しかも黒田を初めとする他の面子の前で堂々と。
やはり遊ばれていたのだろうかと悶々としている所に達海から呼び出しがかかって今に至る。
はあ、と一つ溜息を吐いて覚悟を決める。
コンコン。
軽いノック音の後に「どーぞー」と暢気な声が聞こえて黒田は扉を開ける。
とそこには達海だけではなく、杉江の姿もあった。
「おー、適当な所座れよ」
座れよ、と言われてもこの狭い空間で座れるところなどありはしない。
「クロ」
すると達海のベッドに座っていた杉江が己の隣をぽんと叩いた。
確かにもうそこにしか黒田が座れる場所は無いだろう。
渋々そこに座ると、達海はあのさあと切り出した。
「俺、クロの事好きだし、これからも手放すつもりなんて無いよ」
「なっ、ばっ、てめっ」
直球で来られると黒田は弱い。
しかも隣には杉江がいることもあって黒田はいつも以上に狼狽した。
「でもさ、スギの事も欲しいわけよ。だから三人で仲良くしようって話になったんだけど、どう?」
言われた事を理解するのに数秒の時間を要した。
「は?」
「だから、三人でオツキアイしましょうって話」
にひっと笑う達海に、やっぱ変人だこの人、と黒田はどこか遠い所で思った。



***
優07の続き。

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