「…あんたが悪いんだ」
(リキッド→シンタロー/PAPUWA)




一緒に暮らしていると、自然に決まってくることがある。
気付けば決まっていたこと。
例えば、並び順。
外を歩けばそんな事もないのだけれど。
食事をする時と寝る時は、いつも決まった並びだ。
まずパプワとチャッピーが並んで座る。
そしてパプワの隣にシンタローさん。
チャッピーの隣に俺。
丸い卓袱台。
四人が隣り合って座って。
でも俺とシンタローさんの間だけ一人分くらい軽く開いている。
何となくそうなっていた。
寝る時もそう。
いつも左から俺、チャッピー、パプワ、シンタローさん。
別に不服があるわけでもない。
だけど、偶に目を覚ましたとき、思う。
月明かりだけが差し込む室内。
四人並んで眠っていたのに、気付けばシンタローさんはパプワを抱えるようにして眠っている。
チャッピーもそんな二人に寄り添うように眠っている。
一枚の絵の様な光景。
パプワが俺に寄り添って眠ったことなど一度もない。
コタローが居た時だって、自分から寄り添った所など見たことない。
なのにシンタローさんに寄り添うパプワの手はしっかりとシンタローさんの黒髪を握っていて。
一緒に暮らした期間は俺の方が長いはずなのに、圧倒的差を見せ付けられている気がする。
もし逆だったのなら。
先に俺とパプワが出会っていて、そしてシンタローさんが新しい赤の番人としてこの島に残って……無意味だ。
順番とか、期間とか、時間とか、そんな事関係ないんだ。
そんなものを全く気にしない絆が、二人にはあるのだ。
俺はパプワの友達にはなれない。
俺はパプワたちとこの島を守る番人で、せいぜい、家族なのだ。
それは、喜ばしいことなのかもしれないけれど。
それはこの島では当たり前のことで。
特別なのは、この男だけなのだ。
…本当にガンマ団総帥かよ。こんなに見てんのに気付きもしない。
気付かれたらシメられること間違いないので幸いというべきなのだろうが。


…何だよ。


………何なんだよ、チクショウ。









***
なんか無性に柴田作品を読み返したくなって新旧パプワと自由人を読みふけりました。
シンタローが好きで仕方ありません。
ていうかリキ→シンを目指したはずなのですが…アレ?シンタローに妬いてるのかパプワに妬いてるのかわからんことに。アレ?

 

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