「手、繋がせて。駄目?」
(御剣、成歩堂/逆転裁判)


夜空の下を二人で並んで歩いて。(食後の運動ということで、一駅分)
「ねえ、御剣」
視線は前を見たままで。(ああ、あのミソラーメンは絶品だった!)
「なんだ、成歩堂」
視線は前を見たままで。(一駅分って幾らだっけ?)
「手、繋いでいい?」
視線は前を見たままで。(まるで野良猫でも見つけたような口調で)
「……何だと?」
視線は前を見たままで。(この足は黙々と歩くのだ。我が家を目指して)
「ダメ?」
視線は前を見たままで。(この道どっちに曲がるんだっけ?それくらいの軽い声で)
「………いや…その…」

視線を傍らに向けると、ばっちり目が合った。(最初から打ち合わせていたみたいに!)

それが妙に気恥ずかしくて、黙っているのを勝手に解釈され、手を引かれる。
何か言おうとして、その顔が嬉しそうに笑うのを見て、思考が滞る。

繋いだ手が、熱かった。




***
初逆裁。何だコレ。

 

戻る