「不安になってるのはこっちだけか」
(御剣×成歩堂/逆転裁判)



どっちが「上」か「下」かなんてのは、その時の気分だ。
ゲンミツに言うなら、大抵、積極的な方が「上」になる。
別に交代制にしてるわけでもないのだからどちらかに偏ることもあるだろう。
だけど、最近ぼくが「下」のこと、多くないか?
そりゃ確かに御剣の方が(二センチだけ)背も高いし(検事の癖に)ガタイも良いけどさ。
気付けばあれ?という事態になっている。
最後にぼくが御剣を抱いたのはいつだっけ。(因みに抱かれたのは言うまでも無くついさっき)
何となくこう、不公平な感じがするのはどうしてだろう。
ならばこちらから積極的に行けばいいんじゃないかとも思うのだが、ペースというものがある。
今日だってそうだ。
資料集めに奔走して疲れきって帰ってきてみれば、当然のように居座っていて。(いや合鍵渡したのぼくだけどさ)
疲れてるつってんのに「多少の疲労があった方がキミは善く乱れる」とかわけわかんないコト抜かして覆いかぶさってきやがって。
あいつちょっと元気過ぎやしないか?ぼくが淡白なのか?いや普通だと思うけど。
そりゃあぼくだって好きな人には触れたいと思うし抱きたいとも思うけれど。
何だか最近、抱かれることに慣れてきてしまって、何となくそれが、何というか、理不尽を感じるというか、モヤモヤするというか。
「………」
考え込んでいると、御剣がシャワーから上がってきた。
「ム。どうした、成歩堂」
相変わらず眉間に皺を寄せた御剣がぼくへと手を伸ばしてくる。
くしゃり、と髪を梳かれると、何となく、考え込んでいるのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
「いや、なんでもないよ、御剣」
まあ、いいか。





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流されてます。

 

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