「別に好きなんて言った覚えないけどね」
(海堂×乾/テニスの王子様)


「ねえ海堂、俺の何処が好きなの?」
なんてさも不思議そうに聞いてくるから。
「…俺、別に好きなんて言った覚えないんスけど…」
何とか平常心で答えてみてもこの人は知ったこっちゃないって感じで。
「うん。でも海堂、好きデショ、俺のコト」
当然と言わんばかりのその言葉に、今まで隠してたつもりの自分が恥ずかしくなって。(この人に隠し事をしようなんて事自体が間違っていたのだ!)
「……ッス……」
消え入りそうな声で応えを返した。きっと今の自分は耳まで真っ赤だ。顔が見れない。
「それで、何処が好きなの?」
その声音は、言うまで逃がさない、と言外に語っていた。超逃げてえ。



***
海乾でこのお題って何書けばいいの。
ということで開き直って十行文。
いいの。アタイ、ハリポタで三行文やったことあるから。二回も。
アーサー視点とルシウス視点で。




「やめちゃえば、あんなやつ」
(木手×乾/テニスの王子様)


乾は今、遠距離恋愛なるものをしている。
その相手は離れに離れて沖縄にいる。
年に数えるほどしか会えなくとも出会ってから三年、続いていることは確かだ。
「手塚ー木手から返事が来ないー」
机にだらーんと上半身を投げ出しながら文句を言う乾の手には携帯電話がしっかりと握られている。
毎日事ある毎にメールは欠かさないという木手からの連絡がぷっつり途絶えて丸一日。乾は暇さえあれば携帯を弄っていた。
しかしそれも虚しく返事は未だ来ないらしい。
「浮気でもしてるんじゃない?」
無責任に言うのは不二だ。
ちゃっかり乾の隣に腰掛けていつものアルカイックスマイルでたるーんとしている乾を見ている。きっと「ダレてる乾も可愛いなあ」とでも思っているのだろう。
「しろはそんなことしないもんー」
しろ、というのは木手のあだ名だ。と言ってもあの木手永四郎相手にその呼び方を出来るのは乾だけなのだが。
「だから止めておけと言ったのだ、あんな男」
「そうそう、僕にしておきなよ。木手みたいに亭主関白じゃないし手塚みたいに甲斐性無しじゃないし」
「何故そこに俺を出す」
「えー?だって、ねえ?」
漂い始めた穏やかならぬ空気を裂く様に乾は「そんなことどうでもいいから!」とダレたまま手足をばたばたとさせた。
「こら乾、机を揺らすな。字が歪む」
部誌を書く手を止めて乾を見ると、見事にぶーたれた長身がそこにあった。
「そんっ…!」
突然手の中の携帯が振動し、乾はがばっと身を起こしてそれを見た。
メールが一件。木手からだ。
いそいそとメールを開くと一文。

『少しは俺の気持ちが分かりましたか』

「……どういうこと?」
一緒になって覗き込んでいた不二が乾を見ると、彼はぽかんとしていたかと思えば次の瞬間、ばっと頭を抱えて「やられた!」と叫んだ。
そして再びぐてーっと机に突っ伏してカコカコと返事を打った。

『ごめんなさい。善処します』

送信。
「で、どういうこと?」
しつこく聞いてくる不二に乾は簡単に説明した。
つまり、几帳面な木手は小まめにメールを送ってくるのに対し、一見几帳面に見えて実はずぼらな乾はレスポンスがかなり遅い。
一日放置することもざらで、気付けば数日メールを受けるだけで返していない、という時もある。
なので木手はそれを身をもって体験させたのだろう。
「なーんだ」
つまんないのただの痴話か、と不二は安いパイス椅子に凭れ掛かった。事故にでも遭ってりゃよかったのにあの野郎、という呟きは幸い乾の耳には届かなかった。
部誌を書きながら手塚も不二と同じ事を思っていた事も幸い乾には察することは出来なかった。



***
最近比嘉×乾が微妙にアツいです。田仁志の腹とかぷにぷに突くのが好きな乾とか平古場にゴーヤミックス乾汁を飲ませようとする乾とか甲斐の首から提げてるリングは実は乾があげたやつだったりとか。色々夢見てます。ええ。何か問題でも?(真顔)




「捨てられたらいつでも拾ってやるよ」
(切原×乾/テニスの王子様)


青学から一番近いファーストフード店で赤也は乾に泣きついていた。
「あーもうまた駄目かもしんないっすー!」
何が駄目かと言うと、彼女との関係が、である。
更に「また」と言うことは。
「となると今月に入ってこれで三人目だね」
そう、月半ばの現時点で赤也は二度破局を迎え、そして現在進行形で三度目の破局へまっしぐらな状況なのだ。
「この調子で行くと先月の五人の記録を抜く確立87%」
先月もこの調子で付き合っては別れを繰返し、その度に乾に泣きついていた。
乾も今ではもう慣れてしまって、部活中にフェンスの向こうでこちらに両手をぶんぶん振ってくる赤也を見るたびにああまたか、と思ってしまう。
「だってアイツ、理系得意だっつってたの俺の好みに合わせた嘘だったんすよ?!ゲンメツっつーかもう一気に醒めたつーの」
赤也が付き合う相手は赤也自身から告白する場合と向こうから告白してくる場合の半々だが、別れる理由はいつも赤也の「イメージと違う」だった。
おかげで陰では切原は女子をとっかえひっかえなんちゃらと噂が立っているのだが本人はそんな事知ったことではない。
「基本的な事を聞く用で悪いんだけど、そもそも切原の言う「イメージ」っていうか、好みってどんなの?」
そう問われてみて赤也は首を傾げる。
「えーっと、まず理系で頭が良くてすらっとしてて背も高くてモノクロカラーが好きできゃあきゃあ騒がなくて落ち着いてて…」
そこまで言ってふと気付いた。
あれ?これ全部当てはまる人、すぐ傍にいるんじゃね?
「…眼鏡かけてる人」
「ふむ…総合的に見て、そうだな…」
そこで乾は言葉を切って赤也を見つめた。
「俺が可愛らしい女の子だったら赤也のタイプにぴったりだったかもしれないな」
冗談めかして柔らかく笑うその仕草に、赤也は思わず息を呑んだ。
ああ、なんだ、そうだったのか。
俺はずっと、この人が好きだったのだ。
だけどいろんな思いが邪魔をして、今まで気付かないようにしてただけで。
今までの女子も、ずっとこの人の代わりとして見ていたのだ。
「そう、かもしれないっすね…」
何とかそれだけを搾り出して返すと、そんな赤也の気持ちを知ってから知らずか乾は更に笑みを深めて笑う。
「じゃあ、彼女に捨てられたら拾ってあげるからいつでもおいで」
きっとこの人なりの冗談なんだろうけど。
「…そうさせてもらいまーす」
今の彼女とは今日限りで別れようと赤也は決心した。



***
そういや9月25日は赤也の誕生日でしたね。私の誕生日と五日違い。(どうでもいい)
おめでとう永遠の14歳…あれ?でも劇中夏だからまだ13歳…?若いっていいね…(遠い目)
私が13歳位の時と言うと…クラスで「下ネタ四天王」と言われておりました。(他三人は男子)若いって怖いね…(視線逸らし)




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