カナンの地の出現なんて無かったかのように日常を取り戻して一節。
ガイアスにお前に紹介したい者たちがいる、と言われて連れてこられたのはマクスバードのリーゼ港側の宿屋だった。
ホールに屯っていた数人の少年たちがガイアスを見て手を振る。
「アーさん!」
アーさん?ジュードがガイアスを見上げると、ガイアスはそう呼ばれている、と頷いて彼らの元へと向かった。
「アーさん、何だよそのガキ」
少年たちの中でも一際存在感のある、赤毛の少年がジュードを訝しげに見る。
「俺の……友人だ。お前たちの一つ年下でジュードという。今回の旅行にはこいつも入れてやってくれ」
「え、旅行?」
聞いてないんだけど僕、とジュードがガイアスを見上げると、安心しろ、とガイアスは告げる。
「お前の着替えは既に用意してある。休暇の申請も済ませておいた」
「いつの間に!」
「お前はたまには休んだ方が良い」
「ガ……アーストに言われたくないんだけど……」
二人の会話を聞いていた赤毛の少年がそれで?とジュードを見た。
「ああ、ごめんなさい。僕はジュード・マティスです」
ぺこりとお辞儀をすると、少年たちが顔を見合わせた。
「ジュード・マティスって……まさか源霊匣研究者の?」
「道理で何か見た事あると思ったら……」
最近では雑誌で特集を組まれたりしてそれなりに有名人となっているジュードは恥ずかしそうに笑う。
そんなジュードをじろじろと見ていた赤毛の少年は、へえ、と少しだけ笑みを浮かべて手を差し出した。
「俺はターネット」
「宜しく」
軽く握手を交わし、ジュードは他の少年たちとも自己紹介を交わしていく。
「じゃ、行こうぜ。そろそろ船の時間だ」
ターネット達の後に続きながら、ジュードはガイアスを見上げて聞いた。
「それで、何処へ行くの?」
「イル・ファンだ」
「イル・ファンへ?」
「夜域が無くなる前に見てみたいのだそうだ。あとオルダ宮もな」
「ああ、発光樹とか建築物は珍しいかもね」
乗船手続きをして船に乗り込む。ここからイル・ファン海停までは丸一日かかるので今夜は船中泊だ。
船にはしゃいでいる少年たちをジュードは穏やかな気持ちで見つめる。
彼らはジュードより一つ年上だという事だったが、学生だと言っていた。
リーゼ・マクシアでは十五歳を境目に社会に出る者が多い。だがエレンピオスではその境は十八歳だ。
未だ子供のようにはしゃぐ少年たちは見ていても楽しそうだ。
そんな中、ターネットは一人落ち着いていた。身に纏うものはさり気なくブランド物が使われており、きっと親が裕福なのだろう。
だが、きっと親子間の仲は良くない。家に帰るより、友達と騒いでいる方が気が楽なのだ。
きっと彼も寂しいのだろう。そこまで考えてジュードはいけない、とその考えを振り払う。
何でもかんでもすぐ分析をしようとするのは悪い癖だ。ガイアスの友人をそんな風に見るのは失礼だろう。
友人、と思ってジュードはくすりと笑う。傍らのガイアスが何だ、と見下ろしてきた。
「ううん、ガイアスにも友達が出来たんだなあって」
良かったね、と笑うと、そうだな、とガイアスもまた微かに笑った。
その夜、大部屋で雑魚寝をする事になってジュードは毛布を被って眠りに就いた。
眠りの中でジュードは少し寒いな、とぼんやりと思う。でも目を覚ましてもう一枚毛布を取りに行くのも億劫だ。
日頃の疲れも溜まっていたのだろう、肌寒いと思いながらも眠りが覚める事は無くジュードは無意識にころんと横を向いた。
すると何か温かいものにあたって、ジュードはそれにすり寄る。温かくてそのまま再び眠りの底に落ちて行こうとすると、不意にぐいっと背後から引き寄せられた。
「ん……?」
さすがに意識が浮上し、目を空けようとすると耳元で低く囁く声がした。
「寒いのなら俺にしがみ付いていろ」
ああ、ガイアスだ。ならば安心だ。ジュードはうん、と返事を返したのか返さなかったのか。良くわからないままこてんとガイアスの方を向き、その胸元に顔を寄せた。
あったかい。ジュードはほっと安堵しながら今度こそ再びの眠りの底へと落ちて行った。

 


ターネットのジュード・マティスに対しての第一印象は、気の弱そうな少年、だった。
一つ年下らしいが、雑誌で見るより実物の方が余程子供っぽい顔をしている。
そんな少年は源霊匣研究者として名を馳せており、その研究も漸く軌道に乗ったと聞く。
ターネットからしてみれば、ジュードはターネットの嫌いな人種だった。
良い子で優秀で既にその地位も確立していて。ターネットからしたら彼は超エリートだ。
もし彼がターネットのクラスメイトだったなら、恐らく自分は彼を邪険に扱ったのではないだろうか。
けれど、アーストと出会った事で自分も少しは変わったのだろうとターネットは思う。
リーゼ・マクシアの王であるガイアスの偽名。いや、ガイアスという名が字だと聞いた事があるから、もしかしたらアーストが本名なのかもしれない。
だが偽名であろうが本名だろうが、ターネット達にとって彼はアーストという歳の離れた友人である事に違いはなかった。
今はここにはいないクラックだって、きっとそう言うだろう。
だからだろうか、少し前の自分ならば毛嫌いしたであろうタイプのジュードにも、嫌悪感は感じない。
アーストという男と接する事によって、ターネットの世界が広がったおかげなのかもしれなかった。
何より、アーストもジュードの前では気を抜いているようで、あのアーストが気を抜ける相手ならば信用しても大丈夫だろうという思いもあった。
今回も人数が多いので大部屋で雑魚寝をする事になり、ターネット達は思い思いの場所で毛布に包まって眠りに就いた。
ターネットの右隣は偶々ジュードになり、その奥にアーストが横になっていた。
それに何を思うでもなく、消灯と共に眠りに就いたターネットは真夜中にふと目を覚ました。
寝返りを打ったのだろう、寝る時は上を向いていたはずだったが、目を覚ますとターネットは右を向いて寝ていた。
そんなターネットに寄り添う様にしてジュードが寝ている。一瞬にして目が覚めた。
寒いのか、すり寄ってくるジュードの髪からは良い匂いがしてターネットは頬に熱が上って行くのを感じる。
起こすべきなのか、と迷っていると、窓からの月夜に照らされてこちらを見ているアーストと目が合ってびくりとした。
不意にアーストは腕を伸ばすとジュードの腰を引き寄せ、自分の方に抱き込む。
「ん……?」
さすがに目が覚めたのか、ジュードが微かに喉を鳴らした。
「寒いのなら俺にしがみ付いていろ」
小さく囁かれたそれが不機嫌そうに聞こえたのは、ターネットの気のせいだろうか。
だがそれでも覚醒しないジュードはまた短く喉を鳴らし、アーストの胸元に顔を寄せて寝息を立てていた。
アーストもまた何事も無かったかのように目を閉じてしまい、ターネットは何だったんだ、と思う。
いやもう寝てしまおう。気にする事ではない。ターネットは自らにそう言い聞かせ、目を閉じた。
だが一度覚めてしまったせいか、眠りはなかなかやってこなかった。
その翌日、良く晴れた空を見上げて伸びをしたジュードは、傍らで欠伸をしているターネットを見てくすりと笑った。
「眠れなかったの?」
お前のせいだ、と言った所で恐らく覚えていないだろう。ターネットはまあな、とだけ答えて何処までも広がる海を見詰めた。
カードゲームをしたりして時間を潰していると、仲間の一人がおい、と窓を指さした。
「外、暗くなってきてねえ?」
「夜域の影響下に入ったみたいだね」
ジュードはそう言ってもうすぐで到着だよ、と笑った。
その言葉通り、やがて船はイル・ファン海停に入港し、夜光の王都と呼ばれた街へとやってきた。
「イル・ファンについては俺よりジュードの方が詳しい。知りたい事があればジュードに聞くといい」
ターネット達は初めて見る夜光樹や精霊術で建てた大樹の家々に興奮気味だった。
街には他にもエレンピオスからの観光客がたくさんいて、最近ではイル・ファンへのパッケージツアーも人気だと聞いた覚えがある。
今では民間に開放されているオルダ宮の蓮華陣をターネット達は気にったらしく、何度も上へ下へと移動して警備兵に苦笑されていた。
その夜はホテル・ハイファンに泊まる事になり、少年たちは大喜びした。予定では安い宿を取る予定だったのだが、アーストが折角来たのだからと部屋を取ってくれたのだ。
ホテル・ハイファンには大部屋なんてものはない。二人一部屋の部屋を三部屋借り、部屋割りはくじ引きで決める事になった。
「え、僕も?僕はアーストと一緒で良いんだけど……」
小首を傾げるジュードに、つまらない事言うなよ、と少年たちはブーイングを飛ばす。
「折角の友達同士の旅行なんだから、こういうのを楽しまないと!」
友達、の言葉にジュードは微かに目を見開き、やがて嬉しそうにうん、と頷いて笑った。
その笑顔がとても愛らしくて、ターネットはそれに目を奪われる。
子供なのか大人なのか、良くわからない。そう思いながらターネットはジュードをじっと見つめた。
くじの結果、ターネットはジュードと同室になった。
「僕でいいのかな……」
不安げにターネットを見てくるジュードに、構わねえよと肩を竦める。
「どうせ寝るだけだしな」
ほっとしながらありがとう、と微笑むジュードの背後でアーストが何か言いたげな顔をしていた。
何だ?と思いながら見返すと、すっと視線を逸らされてしまう。まあいいか、とターネットはジュードと共に部屋へと向かった。
高級ホテルを称するだけあって、部屋は広くベッドもふかふかで、部屋の窓からの景色も抜群だった。
「お前はイル・ファンで暮らしてたんだろ?ここに泊まった事はあるのか?」
何気ない疑問だった。だが上着を脱いでハンガーにかけていたジュードはきょとんとした後、何故か苦笑した。
「うーん、一応あるよ」
「何だよ、一応って」
「あの頃の僕は一介の医学生だったから、自分じゃさすがにこんな高い所は泊まれないよ」
そもそも寮に入ってたからわざわざホテルに泊まる必要もないしね、と苦笑するジュードに言われてみればそうだなと思う。
「でも泊まった事あるんだろ?」
「うん。知り合いが泊まってて、そこに呼ばれたって感じかな」
「ふうん?」
それより、とジュードはお風呂行こうか、と笑った。
「部屋にもシャワーはついてるけど、大浴場は露天風呂があるんだよ」
「へえ」
「お風呂の周りに植えられた発光樹から光の華が降り注いで凄く綺麗なんだ」
興味を引かれたターネットに、ジュードが行く?と小首を傾げて聞いてくる。
畜生可愛い。反射的にそう思ったターネットは何だ可愛いって、と視線を逸らす。男に対して可愛いって。
「……行く」
もやもやとした思いを抱きながら、ターネットは頷いた。

 


露天風呂は確かに凄かった。夜光樹に照らされながら夜域の街を見下ろして湯を楽しんだ。
うっかり光の華を吸い込んで何度もくしゃみが出てしまったのもいい経験だ。
だが、ターネットは隣を歩くジュードをどうしても見る事が出来なかった。
肌が白いとは思っていたが、服を脱いだジュードの体は本当に真っ白で細くて、腰なんてちょっと強く抱きしめたら折れてしまいそうだった。
待て待て。何だ、抱きしめたらって。まるで自分が抱きしめたいと思っているみたいじゃないか。
ターネットはシングルソファに腰を下ろして夜景を見下ろす。しかし意識は背後でごそごそと荷物を整頓しているジュードに向いていた。
「明日は朝イチでラコルム海停まで行って、シャン・ドゥまで行くんだよね」
「!」
真横で声がして、ターネットはびくっとして傍らを見る。そこにはきょとんと見下ろしてくるジュードが立っていた。
「け、気配消して近寄んなよ!」
「ああ、ごめん、つい癖で」
朗らかに笑うジュードの髪はしっとりと水気を含んで大人しくなっている。セットなのか不精なのかよくわからないあの髪型よりこちらの方が可愛い。
いや待て、だから可愛いってなんだ。ターネットはジュードから視線を逸らして窓の外を見た。
「ねえ、ターネット」
「な、んだよ」
視線を夜景に向けたまま応じると、えっと、と傍らで言い淀む気配がしてあのね、と言葉が続けられた。
「僕、何かした……かな?」
「……何でだよ」
「何だか、さっきから僕と視線合わせてくれないし、今だって……」
だんだん小さくなっていくその声に、そういうんじゃねえよ、とターネットは呟いてジュードを見た。
あどけない顔に困惑を浮かべたジュードを見上げ、ターネットは立ち上がった。立ち上がるとジュードの方が背が低いので、今度は少しだけ見下ろす形になる。
「そうじゃ、なくて……」
男にしては大きな、蜂蜜色の瞳に吸い込まれそうだ。
「?」
小首を傾げる姿が小動物のようで、ターネットは堪らずその体を抱きしめた。
「ターネット?」
「くそっ」
ターネットは悪態を吐いて、勢いのままにジュードの薄い唇に己の唇を重ねた。
柔らかな唇を食み、ターネットは湧き上がる衝動を抑え切れずその唇を割って舌を差し入れる。
「んっ……」
抵抗されるかと思ったが、ジュードは大人しくターネットの腕の中で口付けを受け止めていた。
舌を絡めると、それに応えるようにジュードの舌がターネットの舌に絡みつく。
ちゅくちゅくと舌と唾液が絡まる音が微かに響き、それが一層ターネットの興奮を煽った。
「ふ……」
ジュードの舌を堪能して唇を離すと、どうしたの、とジュードがとろりとした目で見上げてくる。
「わかんねえよ……お前見てたら、そういう気分になっちまって……」
「うん……勃ってる、ね……」
恥ずかしそうに言うジュードに、ターネットは言葉を詰まらせる。これだけ密着していれば知られてしまって当然だ。
「お、お前が悪いんだぞ」
我ながら頭の悪い言い訳だとわかっている。だが湧き上がる情欲を素直に認めてしまうにはターネットはまだ青かった。
ジュードはくすりと笑うと、じゃあ責任とらなきゃね、とナイトウェアの合わせ目からターネットの下肢に手を滑らせるとその中心を撫でた。
「っ」
思わず息を詰めたターネットの、緩やかに立ち上がっているそこをジュードの手は優しく刺激し、包み込む。
「ねえ、ターネット」
「な……ん、だよ……」
やんわりと、しかし的確にターネットを高めていくその手の動きに耐えながら返すと、ジュードがその瞳に情欲の色を滲ませて見上げてきた。
「僕と、する……?」
「!」
もう、限界だった。ターネットはジュードの腕を掴むと引っ張ってベッドまで行き、その体を組み敷いた。

 


ターネットはそれなりに女子に人気があった。だがターネット自身は相手にせずに今まで来た。
つまりターネットは童貞だった。性の知識はそれなりにあったが、それだけだった。
そういう事に対して興味が無いわけじゃなかった。だがそれよりも男友達と騒いでいる方が余程楽しかったのだ。
なのに。
「あっ、んっ、んっ」
衝動のまま、力任せに腰を振るターネットの熱を受け入れながらジュードが甘い声を上げる。
ターネットは自分の熱がぬぷぬぷ音を立てて出入りするそこを見下ろし、こんな狭いところに自分のが入るなんて、と溶けた思考で思う。
きつい締め付けと内壁の熱さとうねりにターネットは荒い息を吐いてひたすら律動を繰り返す。
気持ちが良かった。自慰では感じられない強い快感に、ターネットはもっと感じていたいと思う。
けれど若いターネットの限界はすぐにやってきて、低く呻いてジュードの中で果てた。
「あ……あ……」
放出された熱が内壁を叩く感触に震えていたジュードは、まだダメ、と甘えるようにターネットを見上げた。
「もっと欲しい……」
その色気に中てられたターネットの下肢が再び勢いを取り戻すと、あ、とジュードは嬉しそうに腰を揺らめかせた。
「もっと、きて……」
求められるままにターネットは腰を打ちつけ、室内には肌と肌のぶつかり合う音と、粘膜の擦れる音が響いた。

 


「ごめんなさい……」
ターネットの腕の中で目を覚ましたジュードは、起きるなりそう謝って項垂れた。
「僕、一旦そういうスイッチが入っちゃうと止まらなくて……」
本当にごめんなさい、と謝るジュードの額をターネットは指で弾いた。
「痛っ」
「ばーか、なんでお前が謝るんだよ」
「え、だって僕がちゃんと自制できてれば……」
「最初に自制無くしたのは俺の方だろ。お前は気にすんな」
それに、とターネットはにやりと笑う。
「イイ経験させてもらったし、な」
「!」
さっと頬に朱を上らせるジュードに昨夜の積極的な色はもう無い。
「ぼ、僕シャワー浴びてくるねっ」
あわあわとベッドを降りるジュードの後ろ姿を見送って、ターネットはくつくつと喉を鳴らして笑った。
ジュードの後にターネットもシャワーを浴び、着替えて二人で部屋を出る。
ロビーに行くとアーストと仲間たちは既に待っていて、遅いぞ、と笑われた。
「何だよ、時間ぴったりだろうが」
「五分前行動って知ってるか、ターネット」
「うるせえ」
ふとアーストと目が合った。じっと何かを探る様に見てくるアーストに、何だよ、と問えばいや、と視線を逸らされる。
その視線は今度はジュードを見ていた。アーストの視線を受けたジュードは、途端に恥ずかしそうに視線を伏せる。
するとアーストの眼がすっと細まり、不機嫌そうなオーラを醸し出した。
それにターネットはあれ?と思う。もしかして、こいつら。
「おーいターネット、アーさん、ジュード、置いてくぞ!」
先に外へ出ようとしている仲間たちを追おうとすると、待て、とアーストに呼び止められた。
「何だよ、アーさん」
アーストはターネットを呼びとめておきながらジュードを見ると、先に行け、と促した。
「う、ん……」
ジュードは何か言いたげにしていたが、すぐに少年たちの後を追って駆けて行った。
「……ジュードに深入りはするな」
「なに、あいつアーさんの恋人なのかよ」
ターネットの問いにアーストは、俺自身はそう在りたいと思っている、と答えた。
「いつか俺の手だけを取ってくれれば良いと、そう願っている」
道は険しいがな、と溜息を吐くアーストに、ターネットは喉を鳴らして笑う。
「じゃあその道、もっと険しくしてやるよ」
「む」
眉間に皺を寄せたアーストに、ターネットは置いて行くぜ、と笑うとジュード達を追って駆け出した。
きっと自分に勝ち目はないだろう。ターネットとてそれくらいは分かっている。
けれどもう少しだけ、掻き回してやろう。ターネットは楽しそうに笑ってジュードたちに追いついた。そしてその勢いのまま、ジュードの肩を抱く。
わっと驚いた声を上げるジュードが可笑しくて、ターネットは声を上げて笑った。

 

 


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