お世話になっているぷり子さんに捧げますv

 

キズイセン
花言葉「愛情のお返しを望みます」




ピンポーン。
昼の連続ドラマをぼけーっと眺めていた京はその音に意識を覚醒させた。
「ハイハイハーイ」
来客予定も何かが届く予定も無かった筈だが。
誰だ?と思いつつ玄関へ向かう。
「はいどちらさーん」
因みに京は夫とその義弟に覗き穴から相手を確かめてからドアを開けろとしつこいほど言われているのだが、今回もそんな事すっかり忘れて躊躇いも無くがっちゃーとドアを開けた。
「ハァイ、奥さん」
扉の向こうで営業スマイルを浮かべたチンピラ風の青年。
「間に合ってます」
「待て待て待てって!」
さっさとドアを閉めようとするのを青年は慌てて引き止める。
「まずこれ見ろコレ」
ばっと眼前に差し出されたチラシに京は胡散臭げに目を通す。
「…酒屋?」
「そう。ほら、そこの通りにあったコンビニが潰れただろ。で、ウチの店が入ったってわけ」
「ああ、そういや何かやってたな。ふーん、酒屋になったのか」
「そ。奥さん、酒はイケる方?何が好き?あ、俺の事はアナザーって呼んでくれや」
まあそれなりに、と応えながら京は青年をまじまじと見詰める。
「普通にビールとか」
青年は髪を上げていたから気付かなかったが、よく見ると義弟に似ている気がする。
控え目で大人しい義弟(京視点)のガラを悪くしたらこんな感じだろう。
「洋酒類は?」
「嫌いじゃねえけど…」
すると男はよし来た!と手に提げていたビニル袋を持ち上げた。
「じゃあちょっと試してみろよ」
ビニル袋の中から取り出された一本の角瓶。ラベルに見覚えはなかったが、濃い琥珀色の液体がたぷんと揺れている。
「これ飲んだら幾ら請求、とかじゃねえの?」
だが青年は「試供品と同じだって」とグラスに数センチほど注いで京に差し出した。
「ほい。お試し下さいってね」
にっと笑う義弟によく似た青年。
義弟に甘い京としては「ま、いっかー」な気分になってしまうわけで。
「…あ、美味い」
舐めるように口にしたその液体は決してきつくない芳香をふわりと漂わせ、木目細かい舌触りで喉を通り抜けていった。
「だろ?ウチの秘蔵品だぜ」
「そんなん挨拶廻りに出して良いのかよ」
「良いの良いの。奥さん可愛いから特別」
「あんまり嬉しくねえけどまあいいや。美味いし」
結局グラスに注がれた酒を全て飲み干した京は、じわじわと体内で熱を持つそれが結構なアルコール度だという事に気付く。
「これ、味のわりに結構強いな」
「そう。だから調子に乗って飲み過ぎるとちょーっとキケンだぜ」
「ふーん…」
さり気無く扉が閉じられたが、酔いが廻って来たのかそれに対する危険信号が働かない。
「なんてたって、俺の特製酒だからな」
「お前の?」
少しずつ心拍数が上昇していき、体に熱が篭もっていくのが感じる。
「スペシャルブレンドってやつ?」
何だろう、もう酔いが廻ったのだろうか。グラス半分で?そんなに強い酒だったのだろうか。それとも自分のアルコールに対する免疫が弱っているのだろうか。
「大丈夫か?」
ひょいとグラスを奪われる。
大丈夫、だいじょうぶ?えーと。
「うわっ?!」
ふっと視界が揺れて軽い衝撃が走る。
倒れた?違う、倒された。
「アンタさ、毎日ウチの前通ってるだろ」
青年が京を閉じ込めるように覆い被さる。
「だから、なに…」
そりゃあの道、スーパーに一番近いしっていやそうじゃなくて。
「いつも思ってたんだわ。人のモンにしておくには勿体ねえって」
「だから、なに…」
あ、これさっきも言ったわ。ってだからそうじゃねえだろ俺!
「アンタに惚れちゃったからちょっと味見させて貰おうかなーって」
味見。へえ、味見、ねえ。
……。
「冗談じゃねえっ!」
漸く事の重大さに気付いたらしい京がそこから逃れようとするが、相手も捕らえた獲物をみすみす逃がすわけが無い。
「あんまり暴れると良くないんじゃねえ?酒以外にも色々混ぜてあっからよ」
「なにっ…」
身を起こそうとした途端、ふわりとした目眩が襲う。
「うー…」
「はいはい、大人しくしてろよ」
「てめえ、初めからコレが狙いかよ…」
力無い腕を振り上げても簡単に捕らえられてしまい、脚で抵抗しようにもアナザーが京の腹に跨っている所為でそれも出来ない。
「そらビラ配りだけだったらポストに突っ込んで帰るっての。オイオイ動くなよ」
「勝手な事言ってんじゃねえ!」
ずりずりと身を起こそうと動けば押さえつける力も強くなる。
「いやーそれにさ、俺一度やってみたかったんだわ。『団地妻、昼下がりの情事』」
「他でやれー!!」
炎を使ってしまおうか、とも思うが如何せんここは屋内。下手をすれば火災報知器が作動してこれまた面倒な事になる。
「ぅわっ…!」
とか何とかぐるぐる考えている内にシャツを捲り上げられ、ひやりとした手が腹を撫でた。
「冷てえっつの!」
「いやー俺って心が暖かいからさー」
「嘘こいてんじゃ、あっ…!」
胸の突起の周りを指の腹で撫でられ、漏れた声に京は唇を噛み締める。
「嘘じゃねえって。ココロもコッチも熱いぜ」
「んっ…ん…」
ズボンの上から股間を撫で擦られ、京は足を閉じようと身を捩った。だがアナザーが脚の間に体を移動させ、それすら阻まれてしまう。
「あっ!あ、やっ…」
ちゅぅ、と音を立てて胸の突起を吸われ、京の体が僅かに跳ねる。
「イイ声、もっと聞かせろよ」
ぷくりと起ち上がった小さな実を舌で何度も舐りながら、下肢を撫で擦っていた手をするりとズボンの中へと滑り込ませた。
「ほら、旦那にはいつも聞かせてんだろ?」
「あっ、あ、あっ…」
やんわりと揉みしだかれ、それから逃げるように京はぎゅっと眼を閉じる。
「あぁっ、や、ぁっ…」
だがそれは逆に手と舌の感触をリアルに感じてしまい、京は足を突っ張らせた。
足先が玄関に置かれた靴に当たる。
何やってんだ、俺。
こんな真っ昼間に。
こんな玄関口で。
「ぅん、んっ…あっ…」
ああもういっそ鍵を掛けてくれた方が有り難かった。
こんな所、回覧版を持って来た隣人辺りに見られたら引っ越すしかない。
「ぁ…あ、っん…」
くちゅ、と己の下肢から湿った音が響き、それが一層情欲を掻き立てた。
「ん、ぅ…ふ…」
胸元から顔を上げたアナザーが京の唇を舐め、その下唇をやんわりと甘噛むように自分の唇で挟み込む。
「う、んっ…ん…」
そして薄らと開かれた京の唇に己の舌を差し込み、その熱を孕んだ口内を貪った。
マキシマとはまた違ったその感触。
京の背筋に微かな電流の様な快感が走ると同時に微かな違和感が生じる。
「やっ…やっぱダメだって!」




力いっぱい突き飛ばーす!



イヤイヤ!と首を振る。(笑)








(選んで下さい/笑)

 

+−+◇+−+
団地妻でアナザー京エロ、という事だったのですが…なんだろう、これ。(爆)
ぷり子さんごめんなさい、まだまだまだまだ未熟エロで申し訳ないのですが結局両方書いてしまいました。(笑)
どっちのルートを本ルートにするかちょっと迷い中。(分岐させるからそういう事に・・・)
イヤイヤルート(何それ)を本編のルートにした方が後々、便利かなあ〜と。
何がって、そりゃあK’の一人エッチネタに。(爆)
無理矢理ルートを本編の流れに組み込むときっとK’、アナザーをぶち殺しに行ってしまいますから。
お縄で豚箱行きです。(笑)
という事で、こんなんになりましたが良かったら貰ってやって下さいませv

 

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